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松井玲奈の悪役道の可能性「行列の女神 らーめん才遊記」(6杯目)

BSで再放送中の「いだてん」ではちょうど、黒島結菜扮する村田富江が活躍中!この役はなかなか貰い役だったのもあるが、何度見てもなかなか可憐。女学生とアスリートの曖昧さが彼女の雰囲気にあっていたということだろう。もちろん、ドラマが傑作であることで、彼女が生えているのである。

そして、彼女の今がこの「行列の女神」。先週は、店の後継者のコンペの話で、店を開けるということのために必要なノウハウ。そしてお客様に向かう姿勢みたいなものを解いていたが、このドラマ、新人育成ドラマなのだが、説教臭くないところは良い。

そして、今回は、私が待っていた、黒島のライバルの松井玲奈が再登場。ネタは、ボリューム系ラーメンの新作コンペ。そして、そのいく先は、「顧客を甘く見るな、リスペクトしろ」という教訓に繋がっていく。なかなかシンプルでわかりやすいストーリー。そして、観終わった後でラーメンが食べたくなるのは、ドラマのうまさである。とにかく、グルメ系ドラマは日本独自の発展を作り、もはや他国には負けない気がする。ニューノーマルの時代にも、この周辺のドラマは輸出コンテンツとして重宝しそうだ。

そして、最近の私のお気に入りの松井玲奈の話である。今回も、彼女の芝居の振り幅を見事に見せていただいた。関西弁で気に入らない奴らにどぎつく迫る態度と、豹変する普通の真剣さ、結果的には理にかなっている姿をなかなかうまく演じきっている。

つまり、彼女を黒島もライバルとして認め、社長の鈴木も彼女のことをなかなか素質のある娘だと思っている。だから、今回のオチでは、彼女の思い上がりを丁寧に諭す。それに対峙し、自分を戒める態度もなかなか良い。

そう、黒島に対して放り込まれた悪役なのだが、観ていて結構な心地よさを感じるのである。まあ、彼女のキュートさもあるが、それを少し隠すようなメガネも効果的に働いている。昔のドラマによくある極端な悪役ではなく、新しい悪役像を彼女に感じるのである。そして、この微妙な感情をうまくいやらしくなく伝えられる部分は、松井玲奈がこれから俳優として生き残る重要なファクターな気がする。とにかく、見るたびに発見のある興味深い女優さんになってきた。アクション系もやらせてみたいですね。

そういう意味では、芝居的には黒島が少し押され気味なのは残念であるが、このドラマの主役はあくまでもラーメンなのだろう。今回の「おこげラーメン」もなかなかのアイデア!食材が輝けばOKである。ドラマ的にはとても上向き加減なので、黒島結菜の今後の攻めに期待しております。

そして、多分、このライバル対決、もう一回くらい出てきますよね。ここまで一勝一敗という御膳立ての最終決戦、待っております。

世の中が、本当に目一杯壊れている中、今期のドラマが放送されずにほぼお蔵に入ったままの中、このドラマ、最後まで撮影してあるのだろうか?とにかく、ゴールデンタイムの新作ドラマとして唯一放送されているのは奇跡的な感じもする。そして、これを機に、この「ドラマBiz」の枠がさらに活気付くと嬉しい限りであります。だが、今、この放送ができているということは、次期のドラマが撮れていないということでしょうか?

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