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「テッパチ」泥臭い自衛官ドラマをどのようにカジュアルに処理していくのか?

「ナンバMG5」に続いて、いやそれ以上に男臭いドラマをこの枠に持ってくるフジテレビ。今、自衛隊ドラマっていうのもよくわからないが、自衛隊自身が若者集めのために仕掛けたとも思える。フジサンケイグループだしね。まあ、「トップガンマーヴェリック」がヒットしているからということはないだろう。陸上自衛隊だしね。ということで、色々想像しながら観たが、まあ、予想通りの展開のドラマ。そして、青春群像劇だから、テレビドラマに仕上げるのに、ネタは尽きないのだろうと思った。

主人公の町田啓太が、学生時代から協調性がないという設定。そんな輩はいっぱいいる。私も協調性がないということはよく言われた。だが、協調性がある奴など、日本社会に洗脳されているだけで、都合の良い面白くない人間だったりすると私は思う。だいたい、考えてみれば、権力を持ってる政治家など、協調性など一つも感じさせないし、天下取ったら、自分が全てなんだ。そういう意味で、協調性などという言葉は胡散臭い。

そういう意味では、最初にワイルドに登場してくる、町田啓太には、なかなかシンクロはしやすかった。学生の時もラグビーでうまくいかず、社会にも疎まれる存在。なかなかわかりやすい芝居というところ。どちらかというと、いつもシュッとした役が多いので、こういう役もできるのか?と感心した次第。そして、そのライバル的な役は、同じ劇団EXILEの佐藤寛太。二人の喧嘩のシーンはなかなか迫力が出ていて良い感じ。

とはいえ、ドラマ自体はいわゆる、自衛隊がどういうところか?というものを優しく説明している感じ。あまり、荒い訓練みたいなものは見せられないのか、かなり柔らかい。つまり、ただのミリタリーオタクなら大歓迎みたいな見せ方である。宣伝のドラマならこれで良いのであろう。そう、音楽隊に入りたいから自衛隊に入ったみたいなストーリーも、新しい自衛隊員を掴もうとする、一つのネタなのだろう。

そして、女は、教官の白石麻衣一人だけ。この辺り、ドラマ的にも、恋愛的なものを描く上でも結構、大変な感じはする。白石が自衛官の装いは似合うものの、今ひとつ女優としての成長が見えてこないところがあり、私は少し心配。

ともかくも、夏場のこの時期に陸上自衛隊の演習を見せられる暑苦しさ、なかなかです。そして、教官の北村一輝と町田啓太の青春ドラマ的なやりとりも、暑苦しく見える方もいるでしょうが、私的には嫌いではない。

新しい要素はあまりありませんが、それなりに特異な題材なので、これからどう料理されていかれるか?というところは楽しみではあります。まあ、これを見て、自衛隊の志願者が増えるようなら成功?というドラマなのでしょう。

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