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「女神(テミス)の教室〜リーガル青春白書(第6話)」非効率な裁判官に起こる、法律では読み取れない事象

続いていた、北川の周辺への嫌がらせの犯人、そしてその動機がわかり、この話は終了かと思ったら、そんなことはなく、その犯人、安井順平が最後に自殺して終わる今回。司法の裁きは、国民である以上絶対とされるのだろうが、その司法の判決が人を殺めることもあるということは確かだ。死刑判決をする裁判官もなかなか正気ではいられないということもあるのだろうか?(そんな弱いメンタルの裁判官は、死刑判決自体を避けるかもしれないが・・。死刑廃止問題は、被疑者の問題でもあるが、それを裁く側の心情的負担の問題もある。)

このドラマ、ロースクールを舞台にした話なのだが、結構奥行きが深い。そして、この嫌がらせの事件の話から、主人公の北川景子の心情みたいなものが明確に浮かび上がってくる。ある意味、人に寄り添う弁護士という方向性は。「イチケイのカラス」の入間みちおに近いところがあるようにも思う。職件発動などということは、裁判にとって非効率甚だしいですものね。

でも、その非効率なところが、生徒への細かいアドバイスをさせ、それにより、生徒を元気づけるなら、それはそれでいいという感じもちゃんと描かれているのがドラマの良いところだろう。皆が、アドバイスの付箋のついた論述回答用紙を北川に示すシーンは、すごく前向きで良いシーンだと思った。

そして、藍井塾が本格的に始まる中で、山田裕貴の本質、かなり天才的に司法を知っていて、本質的な理解能力とそれをまとめる能力に長けているというのが見えてきた。だからこそ、北川の非効率な授業に対してはイライラするのもわかるという感じなのだろう。山田のいう通り、北川は非効率でいらないことをやっているから、裁判の被疑者に恨みを買うというのは確かなことだろう。そして、犯人にしたら、判決により人生を変えられ、それをやり直せなど言われても・・?というところではある。その人生に司法従事者は関係することはできないのだから・・。

そんな中で、北川は安井と対峙したシーンで、憲法の話を持ち出し、「皆、法のもとでは平等だ」というわけである。司法の仕事をするものは、法律のもとでしか、判断できないのは確かである。だが、北川は、時にそこに私情を当てはめようと考えるから厄介だということでもあるのだ。そのくらい、司法職というのは、難しい職業だし、法廷での発言一つ一つの責任も重いということだろう。

北川の周囲の生徒たちは、かなり雰囲気が変化してきた。山田裕貴のスタンスは変わらないが、少し北川に協力的になっているのは、何か変化があったということなのか?今日の最後に、安田が自殺したことで、北川の心はまた揺れるのだろうが、そんな流れの中で、視聴者に司法のあるべき本質みたいなものを考えさせる感じのドラマ展開は私的には結構好きである。その着地点は見えないが、このドラマで司法職を目指すものが出てくるなら、それはかなり良いドラマになっているということだと思える。

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