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「ブラックペアン シーズン2(第3話)」 医療ビジネスと人の命と世の中の汚れと

オリンピックが始まった。いつものことではあるが、オリンピックのドラマには連ドラは叶わない(と思う)。そこには、選手の各々の人生がバックグラウンドにあり、そして、そこまで到達した時間が感じられるからだろう。もちろん、オリンピック=ビジネスという考え方はいかがなものかとは思う。だが、世界に向けた一大興行はやはり我々を感激もさせる。

このドラマはオリンピックに似ている。主人公、二宮和也が求めるものは、心臓と同じように美しいものなのだろう。そう考えると、確かに金も美しいのだ。そう、輝くものを集めれば、人は幸せになれるのかもしれない。そして、そこに至るにはいろんな道があることを理解してるところが彼の主人公としてのあり方なのだろう。

二宮の力をさらに明確にするための公開手術。今回はホールに手術室を作るような馬鹿げたことはしなかった。最初から、ビデオを映せばいい話なのだが、前回はインパクトを狙ったというところだろう。

今回の患者は、術式が難しく、治験薬を使う必要があったことと、患者が生活保護者だったというところが肝である。手術的には、竹内涼真の腕を信じて、手術しながらも、傷口を閉じるということをやって、手術のタイムリミットを処理しようとする。ここでわかるのは、二宮が竹内を信頼しているということだ。そうすると、やはり「天城」は「渡海」と同一人物ということなのだろうか?

そして、彼はただの守銭奴ではなく、世の中で、医療界で金に汚い輩というものを把握していて、それをぶっ潰すことも大好物のようだ。医療の王になり、そして、他人の汚い欲望には耐えきれず潰していく感じは、ダーティーな感じから、少しここで本性を表してきている。

ラスト、自分の持つ病院に桜を植えるという話も同じである。そして、そこで桜の寿命は70年という話を入れてくるのも、二宮和也の基本的な人生観が見えてくる部分。とはいえ、周囲の汚い輩はそう簡単に、この技術もすごいが、口も上手いし頭も切れる男にやられるかと思い出している。

で、田中みな実が治験コーディネーターという役でいることもやっとわかってきた。このくらいセリフが少ない謎の女役は彼女にあっている。しかし「ギークス」も産業医だが、世の中の人は彼女の姿に知性を感じるのですかね?私は微妙ですけどね。

それよりも、最後のクレジット見てわかったのだが、今回の患者の老婆役は正司花江さん。この間、照江さんが亡くなったが、かしまし娘、最後の1ピースである。でも、3人とも役者として最後まで仕事してる感じは元気付けられますよね。そして、こういう味のあるお婆さん役ができる人も少ないから貴重。少しでも長く頑張って生きていただきたいもの。意外に、このドラマの主人公の本心もそんなところにあるのかもしれませんね・・。


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