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「俺の家の話(第五話)」家族旅行に複雑化した恋愛模様に田中みな実?

今回は、戸田恵梨香の「好き!」というセリフが耳に焼き付いてしまった。こういうSPEC的な気の抜けた感じの演技が戸田の魅力でもある。ここで、言い終わって帰るときの後ろ姿の演技も好きである。戸田が、この家族の男たちをたぶらかしていく感じがスパイスになっている。

この話、基本設定が「カラマーゾフの兄弟」だとネットでは言われているが、まあ、それをアレンジする脚本力はすごいわけで。この男を翻弄する女に戸田を起用したのも、見事な配役である。

とにかくも、先週、桐谷が本当の息子だということがわかって、彼と公演をすっぽかした江口の息子が、家族内でグレる話から始まる。こういう子供っぽい対応をさらりと書き込めるのも宮藤脚本なのだが、昔は、こういうのがすごく無駄な横道に感じたが、それを見事に必要だという感じになっているのは、どうしてなのだろうか?多分、やっと時代が宮藤に味方してきたのだろうと思ったりもする。

今回のプロレスシーンは練習場。リングでの兄弟喧嘩という新しいパターン。リングを貸して兄弟喧嘩をさせるって、商売になりますよね。こういうビジネスも考えていくのが、今後のプロレス業界かもよ。プロレスは世の中に必要だということをわからせるシーンでもあった。

とにかく、戸田が長瀬を世阿弥マシーンだと確信してしまって好きになる流れは結構重要なのだろう。そして、それが嘘であると信じさせようと、秋山にマスクを被らせ、すぐにバレる展開には笑ってしまった。

そして、家族旅行の話の最中に、永山絢斗までが、戸田を好きになっているという展開。つまり、この家の人間を全てたぶらかした感じの戸田が重要な役なわけである。

とにかくも、今回の主題は家族旅行にいくことである。ロッキーの如く、血圧降下に励む西田と一家。まあ、こういう勢いづけをすんなり入れられるのも宮藤脚本が面白い理由ではある。とにかく、ドラマ一回の50分弱の時間の中に、情報を楽しく詰め込んでいき、視聴者に「一緒に遊ぼう!」と言っている感じが上手いのだと思う。これは、倉本聰や山田太一にはできない技であり、三谷幸喜とも違う独自のリズムを持っている。そして、初期の頃のあざとさがなくなった気がする。

話は、ラスト近くで、西田の昔の女の話に及ぶ。本当にこのジジイは何人女がいるんだと数えてしまう感じになった中、家族旅行本番で、最後にもう一人、それも、凄い飛び道具である、田中みな実の登場。ドラマの中身がさらに混沌としていく中で、次週は全編、家族旅行みたいである。そして阿部サダヲの登場。まあ、後半戦に入っているこのドラマ、まだまだいろんな装備を隠していそうだ。

しかし、戸田恵梨香は、この家族に幸せをもたらすのだろうか?

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