見出し画像

「未来への10カウント(第6話)」努力は裏切らないという、わかりやすい流れ

先週、死んだ妻にそっくりな波瑠が出てきて、そっちの方に大きくギアを切るのかとも思ったが、今回は、それに刺激されたのか、木村拓哉が一気にボクシングのために、自分のギアを上げていく話。そして、ラストでは、波瑠に家族があることもわかり、この存在は、木村を過去の呪縛から解き放つためのものだったということか?

そして、もう一人、内田有紀も木村に対して攻撃的になっていく。気になって仕方がない。だから、彼を窮地に陥れようとする感じは、「あしたのジョー」の白木葉子的な雰囲気にも見える。脚本家も、いろんな過去のボクシングドラマシーンからヒントはもらっているのだろう。

そして、ライバルである、京明高校との試合が決まり、代表選抜を決めることになり、木村がリングでスパーリングを続けるという行為に至る。これは、木村自身が、自分の溜まった垢を洗い流したいみたいなことなのだろう。こういう時に、顔つきを一気に真剣にするような演技はさすがというか、トッポい感じからの転換で木村拓哉の芝居は成立していると言ってもいいのだろう。

そして、今回のもう一人の主役は、村上虹郎と同じバンタム級の佐久本宝である。彼、朝ドラ「エール」の時に、主人公の弟役で注目されていたが、その後も印象的な脇役を演じ続けている。こういう、なんか心を吐き出せないような役をやらせたら、すごい印象的に演じられるのが彼の良いところだ。彼が最初に目を殴られて病院に行った時に、「努力は裏切らない」という話がされる。ベタではあるが、それが、このドラマの一つのテーマなのだろう。まあ、その佐久本の努力的な部分は、あまり描かれていないので、ラストの感動は弱いが…。

村上虹郎は、問題児という設定なのだろうが、今回の最初の木村とのスパーリングでもそうだが、ほとんど、強いという部分を見せていない。ここまでは、虚勢で生き抜いているような役である。だからこそ、今回のラスト、試合について行かないで、問題を起こす役なのだろう。「虎狼の血LEVEL2」では、悲しきチンピラの役だったが、ここでも、そういう雰囲気の役なのだろうか?大体、暴力事件起こしたら、この先も試合に出られないだろう。最後には、彼のボクシングシーンをちゃんと見たいですものな。

ボクシング部の生徒たちのアイデンティテーの回復は、なんとなくはっきりと見えてきているように見えるが、木村自身の回復はここからということなのだろう。しかし、そこに至らせるのが、周囲の女たちだということは、ある意味、現代風なのかもしれない。「あしたのジョー」の時代には、ボクシングのリングには女は介入できない世界であったですものね。

来週から、最終章というのが、予告に出たが、後、何回なのでしょう。もう、まとめに入るということですよね。最後に試合に勝って、その時に木村はいないみたいな、よくあるパターンも感じさせますが、どうなのでしょうね。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?