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「SUPER RICH」江口のりこを主演にするという興味深さ!そして、怪演は止まらない!

江口のりこという女優。今年は「ソロ活女子のすすめ」でテレビドラマ初めての主役をはり、今度はゴールデンタイムの連続ドラマでの主役という流れ。確実に彼女の存在感が認められ、こういうことになったのだろう。

「ドラゴン桜」に続き、金持ちの娘という役。そういう環境下で少し捻くれた娘と言われれば、ぴったりな気もする。人は、姿形でその人の過去や育ちや知性まで勝手にインプットする。そういう生き物だからこそ、彼女のようにデカイイメージ、ちょっと性格がひねたようなイメージを持っている女優は脇としては印象的に使われやすいが、主役となるとどうなるのか?というところ。

1回目をみた感じでは、見事に主役としてそこに存在しているし、視聴者にガツンと主役としての江口をインプットしたと言っていいだろう。最初と最後の方で2回出てくる、すっぴんで表彰式に出てくるシーン。これは、明らかに江口のりこしかできない芝居。そして、そこに持っていく、ドラマ内の今の彼女の状況下、そして過去の回想など、それなりにさまざまな表情を見せて、それなりに長い成功の人生の過程を見せてくれる。まあ、彼女が個性的といえばそうなのだが、懐の深い女優さんと言った方がいいのだろう。見ているものに印象的に映るということは、とても得なことだ。

ただ、このドラマ、初動としては、全体的にドタバタしすぎている。彼女の会社のメンバーがそこそこ多いのもあるが、それらを一気に紹介したり、動かしたりするものだから、江口のりこ以外にあまり「フォーカスを合わせられないのは、ちょっと辛かった。そして、会社が行き詰まり、その原因を作って逃げた、共同経営者の戸次重幸も、もうちょっと丁寧に紹介して欲しかった気もした。あと、目立つところでは、突然出てきて、ドラマの中の位置がよくわからない、古田新太も、なんか、その存在感だけで無理くり視聴者に「覚えといてね」みたいな出方。脇に回った松嶋菜々子も、キャラクターの紹介の仕方が定型的で、よく考えれば雑。まあ、脚本の整理の仕方がいまいち悪い初回であった。

そんな中で、赤楚衛二と、江口のやりとりが印象的に見えるのは、この関係がこのドラマの重要なところだというところなのだろう。現代の中の「金持ち」と「貧乏人」の考えの違い、性格の違いみたいなところを描きたかったりするのだろうか?まあ、そんなテーマの行き先はそれなりにわかる気はするが…。金持ちで、色々コンプレックスみたいなものも見え隠れする江口と、貧乏だが、すごくピュアに感じる赤楚という二人がどう関わって、どういう未来を作り出すのか?

江口を主演に据えることで、新しい雰囲気のドラマができそうな予感がするが、周囲の人々のキャラの作り方と、それが物語の流れの中でどう使われるかがポイントな気もする。赤楚は「彼女はキレイだった」に続いて、結構、ドラマの中で重要なポジション。こちらも楽しみである。

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