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「アイのない恋人たち(第9話)」結果的には男の友情物語ということですかね・・。

グダグダな今時の恋愛模様ドラマと捉えてみていたが、最後に収まるところに収まったという感じではある。まあ、このくらいグダグダな男女だと、こううまくまとまるのか?と思う方も多いのではないか?

だいたい。岡崎紗絵の兄さんが髪の毛スッキリして、妹の店を手伝ってるみたいな画を見せられると、それはないだろうという気はする。彼自身は「人とのコミュニケーションを鍛える」的なことを言うわけだが、引きこもりってそんなに簡単に、自己自浄だけで戻るものでもない気がする。そして、「妹を不幸にしたら殺す」みたいな言葉が言えるわけもなく、ここを見ただけで、このドラマがおとぎ話であるように見えるわけだ。

そして、脚本の遊川和彦は、今のわからぬ時代を描こうとしてるのはわかるが、結局のところ、当たり前だが男目線でしかそれが描けなかったのは、このドラマが失敗だったと私に思わせるところだ。

そう、ラスト近くに、3人で高校の正門前で会うという約束を実現させる。そして、スピッツの「チェリー」を歌うって、そんなことする若者がいないとは言わないが、なんか、今時のそれには見えてこない。そして、こんな感じで15年前の友情が続いてることって今時あるのだろうか?と言う気もする。ただ。その頃には携帯が高校生の間にも出回り始めていたとはいえ、皆がSNSで繋がっている今とは違う。そう考えても、結構、微妙な友情の話なのだ。

まあ、男同士の馬鹿騒ぎというのは、こんなものかもしれないし、それぞれのキャラもうまく作られているようには見える。だが、このキャラクターに対する女たちの気持ちがもう一つ分かりにくい。一番、分かりやすいのが佐々木希であったりもするのは、なぜなのか?まあ、やはり子供作っていたりして。荒波に揉まれているからなのだろう。彼女が最後に幸せそうなのは、ドラマの救いである。

成海璃子と本郷奏多のやりとりは、ありうるだろうが、本郷の立ち位置は結構微妙な感じがする。自分の義理の父への反抗もやめて、相手の義理の父とは一緒に暮らすみたいなことが、彼に可能なのか?という疑問がいくつも出てくるし、農家をやりそうな空気感が出ていないままに終わってる感じがする。

そういう意味では、一度結婚を失敗した、前田公輝と深川麻衣は、何か未来もこんな感じで戸惑いながらもうまくやっていけるような気がする。こんな感じで二度、同じ人と結婚式の場を設けるような贅沢をしてるのですものね。

でも、主軸となる福士蒼汰と岡崎紗絵は、ラストを迎えても、なんで、ベッドに一緒にいるのかよくわからない感じ。そう、そこにアイはあまりないようにも感じる。福士の作品を作るためだけの岡崎のままだからですよね。で、岡崎にしたら、佐々木でなく自分を選んでくれたということが大きいのだろうが、フワフワのままであることは確か。

脚本家は、この6人を最後までしっかりと地に足をつけない感じにすることで、何を言いたいのだろうか?まあ、アイなど、そんなに難しく考えないで、まずは一緒に歩いてみれば的な感じなのですかね。

もう一つコクがないドラマでしたが、今の恋愛とは?という疑問符の一つの答えなのかもね。でも、これからこんな感じの恋愛ドラマが増えてくるのかな?それは嫌ですよね。

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