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「ハコビヤ(第7話)」気持ちをわかろうとすることは諦めない方がいい

今回もなかなかハートフルなお話。こういうささやかな物語は、O.ヘンリーの短編に似ているが、もっといっぱい作ってほしいと思う。世の中に、動画を撮る人が増えたわけで、才能はどこから出てくるかわからない時代。こういうハートフルな短編をもっともっと作りたいし、見たいと思ったりする。

今回のお話のクライアントは森永悠希。彼は話し方の優しさが魅力の俳優さんだと私は思っている。それが生かされたラストでもあった。

森永は、一枚の絵を持って店にやってくる。これを絵の先生に持っていって感想を聞いてほしいという。先生には、お世話になって才能があると言われ、いつか、満足できる絵ができたら見てもらう約束をしていた。しかし、ある日、彼女にもう会えないと言われ、それ以来会っていないということだった。

田辺誠一と影山優佳は先生(原田佳奈)の住んでいるマンションに向かう。そして、出てきた原田は、失明していた。そして、絵を見てほしいといい、説明するが、やはり心は伝わらない。

そして、一度は絵を持って帰ることにする。そして、田辺は森永に正直に、失明していたことを告げる。そのまっすぐな残酷さに影山は田辺を責める。だが、私でも、その事実は森永に告げるであろう。黙っていてはモヤモヤが残るし、やはり、彼が彼女に会いに行くにしても、本当のことを言った方がいいのだ。ここで嘘をついても、良い嘘にはならないだろう。

そして、森永が考える。そして、もう一度、原田の元に絵を持っていくと・・。これ、森永が、部屋で絵に向かい、ヘラを持った瞬間に私はこうなるのだろうとわかりましたね。まあ、多くの方がそうなるだろうと思ったでしょう。

そして、最初は田辺と影山の二人で絵を持っていって、彼女に絵に触ってくれという。そこには、立体的に造形が施された絵がある。そこを原田が触った瞬間に、森永の声が聞こえる。このサプライズは、すごく良いシーンでしたね。そして、その声と共に、原田の心の中に絵が描かれていく。そう、絵で繋がれたものの心は、絵を触ることで再び繋がったのだ。

とても小さいながらも感動的にちょっと聞きたい話であった。そう、そんな小さな感動を与えられるような話を映像で作っていけば、世の中は結構楽しい毎日が過ごせると思うのは私だけだろうか?そういう意味で、こういう深夜ドラマは好きである。

また、影山が田辺に運ばれた日のシーンが最後に出てきたが、この話がどういう話なのか、気になりますな。

そして、田辺が今回、最後に影山に行った言葉「結局、人は他人の気持ちなんてわからない。ただ、気持ちをわかろうとすることは諦めない方がいい」確かにそうである。人は他人があって生かされているのだから・・。

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