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「#家族募集します(第9話)」このドラマの主役は、「家」そのものだったのですね!「ありがとう」で終わる素敵さ。

ラストシーン、出来上がった、飛び出す絵本のセリフが視聴者に語りかける。そう、「家」がみんなに語りかけてくるのだ。そう、ここで、このドラマの主役は「家族」の前に「家」だということがわかる。そういう意味で、「にじや」の古い建物は、確実に「暖かい家」だ。その場所で、ここでの主人公たちは、癒され、新しい「ありがとう」をいっぱい知って、旅立っていった。

そして、昔、ここに住んでいた家族が帰ってきて、また「家」の役目を家族の再生という仕事を担っている。そう、「家」も古くなって、多くの人間の「気」を知っているからこそ、役に立つ場合がある。昨今は、古くなるとすぐ立て替えるという風潮だが、やはり「家」は人から人にいろんなことを伝える上でも、長く使い続けてナンボという気がする。考えれば、ヨーロッパの街並みにはそんな年輪を重ねた家が多くある。日本よりは、「家」というものを長く使うものだと考えているのだと思う。その歴史の違い、思いの違いが、今の日本の家族の状況を作ってしまったようにも感じる。そんなことまで考えさせた、このドラマ。マギーの脚本は、正攻法に日本に今足りない部分を描きこんでいたように感じる。

ラスト、橋本じゅんの妻の平原綾香が帰ってきて「にじや」に来る。そして、石橋蓮司の家族も店にやってくる。最終回は、結果的にはそれぞれの出発の会として綺麗に流れていた。平原に歌を聞いてもらう岸井ゆきの。そこに緊張感があるも、出演者がここでみんな集まる。そう、ここがもっとも最終回らしいシーンだった。みんなが集まっている中に、みんなの今までの思いが詰まっている感じ。そして、岸井一人に「伝わった」と告げる平原の優しさも素敵だった。

そこで、みんなの気持ちはまとまっていて、話し合いと、最後の屋上でのキャッチボール。「ありがとう」がいっぱいの涙が流れるシーンに。本当に、とっても素敵な家族があった。

ラストは、皆がそれぞれの仕事、夢に向かってリスタートする感じ。橋本じゅんが、大きなプロジェクトから、一戸建ての設計に移るという流れは、とてもわかりやすい。つまり、人間が暮らす上で、家庭の基盤である「家」というものがすごく大切なものなのだということだ。

ラストを飾る絵本も「家」がテーマ。その中に、ここでの家族のみんながいることはとても微笑ましい。木村文乃が学校でやりだしたことも、子供たちに、仲間の素晴らしさを再確認させたいがためだろう。

とにかくも、日本の今は、「家」や「家庭」を考え直す時期だということは確かなことなのだと思う。考え直すべきことは「デジタル」ではなく、「アナログ」な人間の本質である。とにかくも、これから、このどうしようもなくなった日本に、「愛とありがとうの連鎖」を起こすことが大事だと私は思っている。これから、もっともっと、嬉しい涙を流せるように暮らしていけたらな!と思わせた素敵なドラマであった。

本当に、このドラマを作ってくださった、スタッフ、キャストの皆様、ありがとうございました!!!!

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