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「罠の戦争(第4話)」杉野遥亮の仇が草彅剛だったことで、復讐の絵図がどう複雑化するのか?

最後に杉野遥亮の兄の会社を救ってくれなかった根本の原因が本田博太郎ではなく草彅剛にあったことがわかる。そして、それを知ってしまう小野花梨。それと同時に、草彅の総選挙への出馬が決まる。なかなか面白いシナリオだ。杉野がそれをいつ知るのか?そして、草彅に対して復讐心を持つのか?それにより、ドラマが複雑化する。このドラマは初めから、誰が敵で誰が味方かという分類が大きく流れを変える。今回にしても、千葉の本田の選挙区をしきっている六平直政をいかに味方にできるかが、草彅の出馬の是非を決めることになった。まあ、政治というのは数の論理で動く以上、ある人間を敵にするか味方にするかでどうにでも動く。そして、それを一番よく知っているのが草彅だったりするのも面白い。

この回のキーになる人間である、六平を繋ぐのが、痴呆症の母親の白川和子であることは大事なところ。親族が知らぬ間に人の縁を繋ぐというのはよくあること。そういうところで変な波が人の胸を打つ。しかし、白川さん、この間、映画「恋のいばら」でも、渡邊圭祐の痴呆のばあちゃん役をやっていたが、痴呆老人役をやらしたら現在、日本一かもしれない。ある意味、正気でなくてはできない役だし、何か深い過去を感じさせる雰囲気が艶かしい。そして、ロマンポルノの主役女優として一世風靡してから半世紀。現役の役者としてこういう印象的な役をこなすことは素晴らしいと思います。

主人公の話に戻す。息子の死に至らしめた人間が、永田町の中にいるという話から、中に入ってその復讐をするという考えは、まあ正しいが、全てが演劇のような永田町でいかにうまく振る舞えるか?ということなのだろう。だから、今回のラストで本田の息子である玉城裕規が草彅の出馬に対し、血相変えて飛び込んでくる図式があったが、なかなか良いステージ設定だった。この玉城という俳優。バカ息子をなかなかうまく演じていた。メイクもあるだろうが、印象的であり、このステージを演出するにふさわしい存在になっていた。そして、男たちが彼を押さえつけるところで、何故だか井川遥が擦り寄り、彼を救い出し、「嫌なんです、自分たちが踏みつけられるのも、目の前で他の誰かが踏みつけられるのも」という言葉を吐く。この言葉が、このドラマの大きなテーマかもしれないと私は強く思った。

そして、草彅の出馬に対し、片平なぎさが「奥さんの協力なくして選挙は勝てない」的なことを言っている。このシーンはここまで、露出があまりなかった井川のドラマの本筋への関わりが大きくなってくる宣言なのかもしれない。とにかくも、ここから第二ステージが始まると言ったところ。息子への復讐をさらに行うことで、そして真相を知ることで、草彅はまだ多くの火の粉を浴びることになるだろう。そして、ドラマの中では裏切りも手のひら返しもたくさん堪能できそうだ。ある意味、このドラマは永田町劇場そのものなのだという感じがしてきた。それだけに恐ろしいし、面白い展開になってきたということだ・・。

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