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「日曜の夜ぐらいは...(第10話)」現代の傷だらけの戦士たちの日曜日の休息という世界観

最終回は、主人公たちのこれ以上ない笑顔で終わる。こういう気持ち良いものをドラマで見せていくことが世の中のためなのではないかと、岡田惠和の世界に触れるときにいつも思う。でも、そんな彼もドラマの最後に主人公の清野菜名に、「自分たちが傷だらけだ」と話させている。そう、今の日本は戦争がなくても心に傷を持ったままになんとか生きてる人が多いのだ。そんな人たちが、月曜日の朝に元気よく仕事や学校に行けるように!というのがこのドラマの言いたいところなのだろう。そこのところは実に綺麗にまとまっていた。

「サンデイズ」の開店風景は、思いの外順調な画で始まった。ラジオでも取り上げてもらえたのだろう。エレキコミックも来店し、なかなか賑やかな感じ。そして、現実にはあまり存在しないカフェの空気感みたいなものがあり、美術さん、頑張ったなという感じに見えた。

そして、テラス解放したままに、日曜の夜の深夜営業というあり方は、お酒なしのカフェのあり方としては新しい。最後の矢田亜希子のセリフで分かったが、このカフェの所在地は吉祥寺だったんですね。それならこういう雰囲気も納得というところ。

そう、矢田は特に問題を起こさずに生見と対峙できたし、尾美としのりのお父さんは橋本じゅんの店で無理やり働くことになる。まあ、綺麗なまとめ方だろう。そして、岸井の母親としてかとうかず子が出てくるが、こちらも問題なくなりそうである。まあ、兄の時任勇気は許してはいないのだろう・・。で、宮本信子が矢田対策のために買ったスタンガンが思わぬことで役に立ったのは面白かった。傷だらけの世の中、そんなこともあるだろう・・。

そして、男たち。川村壱馬と岡山天音が二人で飲んでる姿はなかなか新鮮だった。どちらも、人生の中で用意された群れの中で生きるのが辛かったもの通し。そして、川村がラジオに投稿した話になり盛り上がる。ラジオの力というものは、ネットにはない独自性があり、その中が心地よい人が今もいたりする。そういうコンテンツがなくならないように考えたいものである。次期にポッドキャスト的なものに移行していく気もするが、ビジネスとして普通に存在し続けてほしいと思うのが、それに触れたことのあるものの意見ではある。

で、最後に岡山の元に3人がウェディングドレスで走る姿はどうなのだろうか?まあ、これも新しい男女の形みたいに提示されたものだが、この辺りはまた別のドラマで描いてほしい気がする。ジェンダーを超えた人としての男女のあり方というのが、これからの未来に重要なテーマでもあると思うからだ。

そして、そんな若い3人の傍にいた、和久井映見や宮本信子が注目されるラストも、今だからこそあり得る話である。そう、人間は皆、誰もが才能を生かして、幸せになれるように、この世の中はできているのである!それを信じていれば、少しの傷などで尻込んでしまう必要などないというのが、このドラマの後ろの方から聞こえる声だ!

さあ、月曜日、新しい週が始まる。そして、7月も本格始動!笑顔で今日も戦いましょう!

スタッフ、キャストの皆様、元気の出るドラマありがとうございました!

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