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「街並み照らすヤツら(第8話)」警察も含めて、街を守りたい気持ちはわかるが、もうどうしようもないでしょ。

前回、宇野祥平に捕まりそうになった萩原護は森本慎太郎たちに捕まって、全てがバレることがなくなったが、実質的には警察にもバレてるわけで、どうするかというところで、森本は、船越にも。その息子の伊藤健太郎にも接触した末に宇野祥平にも接触して、全ては商店街のためと全て丸め込もうと考えるが、まあ、そうはいかないよねという流れみたいですね。

で、このチープな脚本の中にも泣けるシーンがあるもので、浜野謙太がなぜかプリプリの「M」を歌うシーンがなかなか刹那かった。だいたい、恋人と別れて悲しむ歌を、商店街の人たちと離れたくないみたいに転換して使うわかりにくさはとても良い。そして、昨今の若者に対してこの歌はわからない人も多いだろう。まあ、脚本家がその年代で、たまたま閃いたのだろう。

「いつも一緒にいたかった。隣で笑ってたかった」って、なんか詞の意味が違う気がするが、浜野のなかなか甘い歌唱で良いシーンだったと思う。そして、もう一つ良いシーンは、森下能幸が萩原を警察に連れてきてしまい、刑事なのに彼を守ろうとした宇野祥平と取っ組み合うシーン。こういうバイプレイヤーの絡みがなかなか濃厚に語られる感じはいいよね。地味な二人が絡んでるだけなのだが、すごいいい感じ。というか、今回、こんないいシーンが2つもあるなんて、奇跡ですよね。

そして、森川葵がケーキを作るシーンがなかなか可愛かったですね。それを見せてから森本は離婚届を森川に渡す。どうなることやら。そして、もう一人、森本を好きだったのか何かわからないがストーカーじみたことをやっていた吉川愛は、宇野に「そんなはずない」と言い出す。こんな心が混沌としてる刑事がいるのかとは思うが、最後に意外な役目を果たすのかもしれないとも思える。

そして、火事の時に森本が運び出した男が街を歩いていて、生きていたことがわかった。この混乱の中で、何かそれで嬉しくなったりもする。本当に、人間など単純なものだというシーン。こういう細かいところでほっともするのだが、なんで、今更、ドラマの他の部分には繋がらぬこの男が出てくるのかはよくわからない。もう、とにかく商店街の人たちは、加害者で被害者であったりするわけで、捕まった萩原がどのようにしゃべるかで色々なことが起こるのでしょうな。

次回の予告を見ると、森本は法廷の中にいる。多分、自首した形なのかもしれないが、それによって、偽装強盗のことは罪に問われるだろうが、それよりも商店街がどうなるかですよね。ある意味、こんな感じの悩みは今の日本のあちこちにあるのでしょうし、脚本家がどうオチをつけるかは興味深いところではあります。


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