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「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」デジタル時代の映画だが、これがアカデミー作品賞と言われてもね・・・。

アカデミー作品賞作品ということで、外は雨なのにお客様はほぼ満杯。というか、シネコンが人でごった返していたことに驚いた。学生さんたちが春休みであるのが大きいのだろう。まあ、作品がどうあれ、興行が賑わうのは悪いことではない。

で、この映画だが、「マルチバース」という言葉以外の情報はほぼないで観た。観終わって考えたこと、日本のお客様たち、これを観た後に「面白かった」「感動した」という評価をいう方がどのくらいいるのだろうかということ。テーマは、結局のところ「家族は一緒」みたいなところなのだろうが、そのテーマなど、どうでもいいようにカオスな映画である。デジタル時代の編集はこんな感じの作品を作るのはお手のものである。「A24」の作品だから、制作費はそれほどかかっていないだろう、その割には派手であるし、結構、濃密に映像が詰まっている。役者陣もスターがいるわけではないから、アカデミー賞発表を見る前だったら、私的にはこれは無しに思えただろう。しかし、ここ3年、パンデミック化のアカデミー賞は「ノマドランド」「コーダあいのうた」そしてこの作品と、いたって小粒なものが並ぶわけだ。スターが出ているものは皆無。確かに、アカデミー会員がグローバルになり、「パラサイト」が作品賞を獲ったことで、どんな映画にもその可能性はある時代になったわけだが・・。

で、この映画、とにかく編集の勉強にはなる。こういう異質なものをくっつけるとこうなるということ。そして、それはこの映画の目論見なのだろう。Youtuberは必見と言ってもいい!パラレルワールドか何か知らないが、ここの存在する世界の本質は最後までわからない。ブラックホールみたいなベーグルがある世界など行きたくもないしね。いや、今我々がいるこの3次元世界だって、実際は妄想だという方もいるわけで、そんなことはどうでもいいのだ。主役のミッシェル・ヨーが、何か変なことをすると、次元が変わるというか、違う世界に飛ぶという以外は、最後まで全く意味がわからないと言っていい。だが、そのわからない羅列がドラマを紡いでいく感覚は、かなりのものであり、まあ、評価に値するといえばそうなのだが、だいたい、映画として私はこういうものを求めているのか?ということが最後まで引っかかった。まあ、今のゲームの中に自分を入れ込んでしまうような世界を体現する若者には、それなりに刺激的なのかもしれないが?とはいえ、映画を見ている間に少し笑っていたのは前にいた外人さんだけだった。そう、日本人にはかなりわかりにくい映画だと思う。

まあ、ディズニーが絶対作らない映画ではあるだろうから、それはそれで評価できるが、これがアカデミー作品賞を獲れるなら、ある意味、発想が全て的な感じなのだろうか?でも、ミッシェル・ヨーの主演女優賞は納得できますよ。これだけ、体使ったら、まあね・・・。

色々刺激的なカオスの連続の中で、敵対する親子が石になってしまうところが一番面白かった。あんまり、刺激的なジェットコースターの中ではシンプルなものだけが脳に残っていたりするのだ・・・。

まあ、確かにね、税務署に行って、税金のことについてとやかく言われたら、自分がカンフースターになって、全て破壊したというのはわかるのよ。これは、世界中の心を掴む舞台ではありますよね・・・。

そう、140分こんなもの見せられたら、お腹いっぱいで戻しそうになった感じではあリマした。これ、ビデオで見たいか?って言ったらそれはないですな。


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