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「アンチヒーロー(第5話)」ドラマ全体に仕掛けられた明墨弁護士の罠。ラストの2ショットに震えが止まらない感じ

主人公の長谷川博己は、ただの司法のお騒がせ弁護士という姿では収まりきれないということなのだろう。この回のラストで、ドラマ最初の弁護で無罪を勝ち取った岩田剛典と一緒にいて、これから何かをやらかそうというシーンを見て、震えた。そう、連続ドラマはこうでなくちゃと言わんばかりの、視聴者が思ってもいない世界に入っていく感じね。つまり、私たちは、単なる事件解決の連続の中で、最後には、長谷川の本当のターゲットが見えてくるみたいなものを感じていたわけだが、このドラマは全て繋がっている構造だったということだ。

そして、前回、長谷川が冤罪だと思って動いている事件がわかり、その検事だった藤木直人が重要な人物であり、彼が堀田真由の父だということがわかったわけだが、その彼がこの一回で、職を追われるような事態に追い込まれてしまった。そう、彼は、小物だと言わんばかりに。

とはいえ、前回の渡邊圭祐の弁護を奪い取るように引き受けたのは、彼の刑を軽くするとかではなく、前に弁護についてた和田聰宏と藤木直人と被害者の早見あかりの偽証のトライアングルを崩すためだったとは、恐れ入ったとしか言いようがない。そして、そこで使われるのが証言のテープ。最近は、スマホでも簡単に録音ができる。録画もそうだが、それだけでは、証拠にはなりにくいとは思うが、法廷の中でのそれはやはり使いようだということだろう。こういう、偽りの事件の証拠による解決は、実際に検察がやってきた一つの技ではあるのだろう。ストーリーに足りないものを作って、自分の身を守る。検察も人の子だという話。

そこの部分に、長谷川博己はヤメ検らしく、するどく突っ込んでいくだからこそ、面白い。そして、今回の最初は、長谷川と野村萬斎の会合から始まったが、長谷川が動くことで、最後に困るのは野村と私は考えるが、どうだろうか?そう、本当の犯人は犯人面をしていない。

ということで、長谷川は、この実態を暴いて、渡邊の弁護を和田に返してしまう。渡邊がどうなろうと知ったことじゃないし、犯罪をしてるものは、利用されるだけだということだ。堀田真由は、藤木の犯罪を知ったものの、過去のことはまだモヤモヤしているだろう、まだ、父から彼女が聞き出す展開があるのか?

そして、北村匠海も、長谷川に振り回されながらも、彼の作っているストーリー構成が見えてきているはず。その中には、北村が守れなかった事件も含まれている気がする。そして、その大枠をパラリーガルの二人はどこまで知ってる?各々の知っていることが何かが曖昧になってるところも、このドラマのミソである。同時に視聴者の頭は混乱の中にあるはず。岩田の事件のどこが長谷川が追い詰めようとする事件に関係するのか?

さあ、ここから後半戦。やはり、日曜劇場は脚本を大事にしてドラマが作られてるわけで、見応えはある。

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