「八月は夜のバッティングセンターで(5回)」女房は夫に気持ちよく好きな球を投げさせて教育する
野球でキャッチャーのことを女房役とよくいう。いわゆる女性名詞的な使われ方である。この男臭いスポーツの中で、扇の要は女性的にゲームを包み込むという感覚なのだろう。よく考えれば、ピッチャーがどうしたいかということを客観的にアシストする役なわけだが、それを女房と呼ぶのは日本的に感じる。アメリカではこのような表現はしないだろう。
まさに、今回は夫婦の意見の違いに困っている子供から仲村トオルに質問がくる。お母さんの笑顔が見れるのはバッティングセンターだけだと…。主役のお母さんは佐藤仁美。痩せたせいで一時期よりもドラマで使われる回数が減った気もするが、こういう気の強い奥さん役はやはりピッタリである。
まあ、ドラマにある、夫が起業して田舎に行きたいという話は確かに喧嘩になる話だろう。そして、それを受け入れられる人とそうでない人がいるというのが実際のところだ。特に今のようなパンデミックの中にあったら、こういう話は、夫婦一緒に働くような話でないとなかなか進まない気がする。
そういう意味では、今回は里崎智也がキャッチャーとはどういうものか?というのを教えてもなかなかリアルな話には結びつきにくいと思った。無理がある。ドラマの中では、ピッチャーの夫はストレートを投げ込むも、ホームランを打たれて終わりという結果。確かに、野球なら、その教訓を生かして次は失敗しないようにするという話なのだが、そこで、とりあえず起業してみるということにつながるのはね…。もう少しロジックが必要な気がした。
最後には、家族が一つにまとまって田舎に引っ越すということでまとまるのだが、佐藤がそこに納得するのが、子供に素敵な教育を与えられそうだというものがあってのことだったというのは、無理くりでも必要なネタでしたね。
あと、仲村と息子の会話の内容を全て仲村に言わせているのだが、やはり子供とちゃんと語っているところをつけた方が良かったですよね。まあ、時間の関係があるのでしょうけどね。
そして、冒頭、関水渚が野球をやっていて、今やめてしまった過去があるという話がでてくる。だから、それなりに野球のことを知っているというキャラなのだろうが、ドラマの最後にマウンドに立つのは彼女なのだろうか?すごくユニフォームが似合うので、彼女で「熱血野球映画」作ってもいいかなと思ったりもしますよね。とにかく、マウンドやバッターボックスでの佇まいがすごくいい。令和版の「野球狂の詩」とかでもいいですよね。色々期待してしまいます。
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