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「SUITS2」月9の華やかさを堪能する非常時。あるいは、これからの月9

各局ゴールデンタイムの春の新ドラマが、次々に延期になる中、天下の月9「SUIT2」が始まった。放送できるのは、かなり前からの収録だったということなのだろう。今後、最後まで制作できるかは、視界が見えないがとりあえずこの状況でTAKE OFFできたことは、エンタメファンとしては嬉しい限り。

この作品、アメリカのリメイクだから、いろいろと安心できる。初回はいつもながらの時間拡張版だが、二つの案件を見事にクロスして、出だしは快調。ほぼ、ファーストシーズンのキャストだから、安心もできるし、チームワーク的なところは空気感に出ているのは良い。

時に、別枠で新版の東京ラブストーリーが作られている中での、織田裕二と鈴木保奈美の再共演は嬉しいし、それなりの安定感。そして、初回のゲストも、最初に出てくる加藤ミリヤを初め、玉城ティナ、反町隆史と、豪華である。

加藤ミリヤは、ドラマ初挑戦だったらしいが、独特の雰囲気がある人なので、主役でセリフ少なめでハードボイルドなど似合いそうだ。もちろん、シンガー役なら申し分ないだろう。今後の展開が欲しいところ。

そして、レギュラーの美女3人、鈴木保奈美、中村アン、新木優子の、ファッショナブルな感じが、このドラマの華やかさにピタリとハマっていると言っていい。三人のファッションそのものを観ている女性も多いだろう。今は我慢で外に飛び出せない時間である。こんなドラマで妄想して貰えば、アパレル通販も活気づくというものである。ネットでそういうクロスオーバーやグッズ販売はこれから、もっと大事になる気がする。

その中の、新木優子が、最近どんどん華やかさを増してきている。この間「アメリカに負けなかった男(テレビ東京)」で鶴瓶の娘を演じて、新境地を見せたと書いたと思うが、だんだん表情の硬さがなくなってきているのだ。演技としての振り幅はまだまだだと思うが、細かい表情で細かい演技ができるようになってきている。ちょうど、伸び代の大きい時期にあるのだろう。そして、「可愛い」から「綺麗」にアイコンが変化してきた。あとは、色香の撒き散らし方か?

女性の話ばかりしているが、このドラマ、やはり織田裕二と中島裕翔のバディものである。そういう意味では、その辺りは初回ではあまり前に出ていない感じ。まあ、弁護の仕事をボクシングに見立てるのはいいのだが、もう少し、緻密で豪快なボクシングシーンが観たいと思う。

とりあえず、2020年、春、テレビドラマ制作が苦境の中でこの華やかな月9ドラマは始まった。だが、今日、書いておきたいのは、今後の月9は、かなりテイストも変わってくるのではないかという話である。脚本家も演出家も他のスタッフも今回の事変で、いろんな思いがあり、そういうものをドラマに入れ込んでいこうとするはずだからだ。

テレビドラマというのは、半年以上先の予定まで企画も制作も進んでいるはずである。月9枠も、次は「朝顔2」に決まっている。脚本も制作も始まっているはずであるが、流石に今の状況だと、無事に7月に開始できるとは思えない。特に監察医の話だから、ロケもままならない部分も多いと思う。少し、いろいろと心配である。

多分、これからの状況次第で、作品自体を差し替えたり、企画をうまく時代に合わせたりする必要性もあると思う。そんな中で「月9」という、ある意味ファッショナブルなブランドをこのまま維持できるのかという疑問もある。この転換期において、日本の、テレビのエンターテインメントが何を提示し、視聴者は何を求めるのか?という部分は、とても見えにくい。

ある意味、ここぞ、プロフェッショナルの見せ所である。期待と不安の中で、それを待つ自分がいる。

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