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「テッパチ!(第7話)」国を護るということの意味、そして人の為に働くという意味

自衛隊とはどんなところか?というドラマ。実部隊に配属され、最初から災害避難の現場でのあれこれをドラマの中に押し込めて、新人自衛官の心の落ち込み用をうまく描いた回だったと思う。

しかし、このドラマ、自衛隊全面協力のようだから、脚本のネタは実際の自衛官に対する取材によるところが多いのだろう。そういう意味で、実に話が生きている感じがする。テレビドラマをいかに面白くするかといえば、そういう現場取材がすごく大事なわけだが、思いのほか、自衛隊というところはドラマを作る上ではネタの宝庫だったのではないか。ニュースとかで災害救助やってるところはよく見るが、そこの実態は、私のように都会に住んで災害に遭うことの少ないものにとってはよくわからないからだ。

今回は、まず部隊に入り、先輩たちから、結構な手荒い歓迎を受ける。ただ、前回までの学園ドラマ風ではない。そう、突然水鉄砲で攻撃されたり、無理やり飯を食べさせたり、最後にそれは、自衛官としてのあり方を遠回しに教えているということがわかるのだが、なかなかわかりにくい。しかし、先輩たちは、なかなかいい人に描かれている。ここでは、コミュニケーション能力というやつが結構重要なのだろう。そう、太平洋戦争時の日本軍とは当たり前のようにスタンスも在り方も違うということは重要な広報なわけだろう。

そして、ここまでたびたび出てきたラグビーが、町田啓太の前に提示される。先に書いた、コミュニティー能力という点でトラウマになっているそれが、自衛隊までついてくる感じは、なかなかうまく描けている。ドラマ的には、最後にそこに飛び込んでいく形にはなると思うのだが、どういうきっかけでそこに町田を戻すのかは、気になるところ。

そして、最初の災害出動。町田は良い人であり、避難してきた人の大切な忘れ物を取りに行ってあげる。まあ、こういうことは実際にはしないのだろうが、こういう事例があったということなのかもしれない。そう、命令以外のことをやってると、基本ルーティンの行動にミスが出る。ここでは、オリンピック候補の男が足を折るという事案。こういう事故は災害地なら、いつどこで巡ってくるかわからない。その事故を自分のせいとして、重く受け止める町田だが、そんなことで挫けていたら、前に進めないというのは、青春ドラマらしい話。そして、彼の前に北村一輝が現れ、言葉を投げてやるのは、少し優しすぎるが、北村は良い教官である。

そして、先輩たちも、一方で町田に感謝してた人たちの話をして慰めるわけで、ドラマ自体は優しい作りになっている。そう、結局は現場での判断力など、多くの経験の中からしか学べないのだ。そういう意味では、自衛隊というところは戦争の実地はないにしても、どれだけ生身の人間を守るということを学ぶか?ということに尽きるのだろう。ここから、ラストまで、そんな我々も知らない自衛官の姿が見られることが、このドラマの大切なところでもある。しかし、ここにきて、また男臭くなってますな。

話では「トップガンマーヴェリック」のヒットで、自衛官への応募が増えているとか?このドラマもそういう効果につながっているのだろうか?それが、いい悪いではなく、しっかりとお仕事の現場を描くのは世の中に有効だとは思います。

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