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「SUPER RICH(第9話)」全ての話が迷走の中で、いつの間にか上場している会社?

このドラマ、着地点を考えてあるのだろうか?と思うぐらいに、先週よりグダグダになっている。江口のりこを主演にするというのが、一番面白いところなのに、彼女を病気にして、一線から引かせるような話の流れは、どう考えても納得できない。そう、江口はできる女としてドラマの中に存在していなくてはいけない気がするし、上場の鐘を鳴らすのは江口でなければ、この話は成立しないような気がするのだ。つまり、一回底に落ちた、リッチマンがその場に戻ってきたという触感は絶対に必要なのではないか?スーパーリッチというものが、儚くも、努力でまた手に入れられるというような部分が見せたいのではないのか?

大体、ここにきて、赤楚の父親の上島竜兵の失態で大事な仕事を反故にするような話が必要なのか?これは、つまり、赤楚には、確実に貧乏の血が流れていて、それが貧乏神のように彼の人生を脅かしている的な流れ。こういう話をここで挿入させてきて、書き手はワクワクするのだろうか?この脚本家、面白いものを描こうとしていない気がする。

そして、江口と赤楚の夫婦生活も、なんか全くそれらしく見えないし、かといって異端の面白い夫婦にも見えない。そして、病気の話を町田だけにしていたり、赤楚が合コンに付き合っていたような話を放り込んだり、意味がわからない。そういえば、合コン放り出した古田新太が今日は出てこなかったですね、勿体無い。視聴者は、矢本、町田、古田の三人揃った合コンが見てみたいのだ。

毎回出てくる、二人の食事シーンも、今回は弁当となり、なんか、毎回描いてきたものに意味がなかったことがわかってつまらない。ドラ全体を俯瞰したような設計図がないのでしょうね。

まあ、菅野莉央の妊娠の話もそうだが、伏線というものの使い方が全く理解できていない脚本な気がする。江口の病気こそ、もっと前から伏線はっておくべきなのではないか?そして、あと2回というところらしいが、ラストに向けて、人間関係が崩壊していくだけで、視聴者も望むところがわからないような状況になっているのは、本当に悲しい。

脚本は誰か?と今更思ったら、溝井英一デービスという知らない名前。まあ、連続ドラマの書き方知らない人が書いた脚本ということでしょうな。

大体、基本の人間関係が、とっ散らかっているから、会社が一丸となって上場目指しているという感じが全く見えない。ドラマを見ている限りは、会社の中がバラバラとしか見えないのですよね。あと、矢本悠馬が見つけた暗い新人の子を成功に導いてあげるような話が、このドラマのやるべきことなのではないか?この辺も、伏線の描き方の下手さを露呈している。こういう結末にするなら、この事象については不穏な感じを持たせなければね。世の中のリアルも、うまくいかないことには、必ず空気感でわかる部分はあると思う。大体この話に関しては、世の中の漫画家を目指すみなさんに失礼な話である。

そう、このドラマの作者は、人生で起こる経験値が少ないのと、会社組織というものも理解できていないのと、金持ちと貧乏という主題にもまともに向き合っていないのだろう。脚本家の未熟な部分を周囲のスタッフが介入して良きものにできていないのも、昨今のテレビ事情のような気がする。

とにかくも、あと2回。松嶋菜々子が結構ドラマを動かしそうな気もするが、視聴者が見たいのは、野生の江口のりこである。

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