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「アノニマス 警視庁指殺人対策室」香取慎吾が俳優として目指す場所

久々の香取慎吾主演ドラマ。なかなか渋い感じの慎吾ちゃんを見ることができる。考えれば、一昨年の映画「凪待ち」では、ダメ男を見事に演じていた。それを見た私は、香取慎吾がこういうのできるんだと思った。そして、ジャニーズから離れることで、役者の幅は広がるんだろうなと思った次第だ。

今回の役も、過去を背おっている刑事。セリフ少なめで、無駄は排除して、確実に事件を解決していく刑事。その心には、明確な愛があるような…。この役も、ジャニーズにいたらあてがわれない役だろう。

その相棒役は関水渚。映画「町田くんの世界」「コンフィデンスマンJP プリンセス編」でなかなか印象的な役をやって、ここにいる。どういう役者かまだ掴みきれないところはあるが、今後に期待できる女優さんだ。ここでの役は、少し生意気盛りの若手刑事。昔なら、こういう役を女性にあてがうことはなかっただろう。この位置は、「太陽にほえろ」のマカロニやジーパンの位置である。そう考えれば、もっと無謀なことをして、香取に諭されるみたいなシーンが見たい。

そして、話は、ネット犯罪の物語。SNSなどの誹謗中傷による犯罪を追跡し、被疑者の特定、逮捕まで持っていく。今風のアイデアで、日頃からそのくらいやるだろうなと思う現場が出てくる。そう、ネットは足跡を残しながら動いている。そのデータからわかることは芋づるのように晒される。今回の中でも、スマフォの中から足取りを探すシーンがあるが、こんなのは当たり前のことになっている。だから、昨日書いた「天国と地獄」のなかで、犯人が、スマフォを買ったら、履歴は書かれないようにするといっているのも当たり前になりつつあるのだろう。犯罪のプロはそこまで知ってて犯罪を行う時代である。

そして、こういう捜査班が警察の中にあってもなんの不思議なことでもない。そう思えるだけに、ここで描かれるチームのリーダーが勝村政信というのは不安すぎる。清水尋也以外は、あまりネット関係に強くなさそうなのが、少し不安な感じなのと、脚本家がそのレベルなのか?

それを居直るように、主演の香取慎吾は、メモ魔のアナログ思考。彼の頭脳がデジタルなのだろうが、面白いがありえない。デジタルは、自分で使ってこそ理解できるもので、これでは、その辺の知ったかぶりのおじさんでしかない。こういう脚本を書いてしまうのは、日本のデジタル知識レベルを疑われるというものだと思う。作り手は面白いと思っているのだろうが、ナンセンス以前の問題だ。

あと、犯人の山中崇の動向、ネットの使い方、リテラシーの考え方などが描かれていないのも不満である。犯人がどう思ってネットを使っているか?というのも大事なところであると思うのだが…。

とにかく、初回の事件が終わって、その捜査内容がネット内に晒されるというところで次回へ!なかなか面白い導入だと思う。そして、香取の渋い演技と新しい顔がどれだけ見られるかがこのドラマの肝なのだろう。

そこが気になるので、次回も観る流れである。

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