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「何曜日に生まれたの(第5話)」2次元と3次元の間で悩む若者たち

冒頭、溝端淳平のスキサケから始まった今回は、バスストップで二人が寄り添うシーンで終わっている。それは、決して二人の間が縮まったわけではない。溝端は、まだ語られていない秘密を持っているようだ。シシド・カフカがそのことを述べてからこのシーンに入るわけで、そういう部分は野島脚本に抜かりはない。いや、そんな単純な脚本を書く人ではないのだ。

今回、キャプテンと呼ばれる濱正悟が出てきた事で、高校の時の友人たちが揃う。そしてバイク屋の濱は飯豊のバイク事故に絡んでいた。その前に彼が盗撮をしていて、それを片山友希に見つかったという話が出てくる。その片山は、溝端の正体を知ったために、彼らのストーリー会議に出ることに。

そして、溝端と同じマンションに、井上祐貴と若月佑美の夫婦が住んでることもこの回でわかる。同じマンションに住まわせるということは、そこで面倒な何かが起きるということにもなってくる。

そんな中で、飯豊はモデルの仕事は順調で、そんな飯豊を見て惚れてしまってる溝端の姿はよくわかる。そして、彼女が載った雑誌を見て、井上は広告の仕事で彼女を使いたいと思う。この辺り、飯豊の争奪戦的なものが始まるのか?過去のわだかまりはそんなにドラマの上で重要ではない気はする。それよりも、飯豊がこのサークルの再会においてどう変わり、それを周囲の男たちがどうみるかだろう。

ドラマのセリフにもあるように、飯豊は明らかに日常の変化の中で、こもりびとから解放され始めている。過去の想い出に過呼吸を起こすこともなくなっている。そして、少しづつ飯豊の演技も変わってきているのがわかる。そう考えると、この役、結構難しい役なのだ。

ラストクレジットにあるのと同じように、バスストップに座る飯豊に寄り添ってくる溝端。ラストクレジットの人物が溝端かはわからないが、候補の一人なのであろう。此処から、飯豊をめぐり、男たちの争奪戦的なものが始まるのか?持っていきたい方向がよくわからないが、溝端のスキサケが明確になってる段階で、ドラマは少なからずそっちの方向には流れるだろう。

話は前後するが、最初に溝端がフットサルをやるシーンがあるが、これは唐突だった。タワマンにこもって文章を書いてるだけの男が、ボールに戯れるにはそれなりの勇気というか、きっかけが必要だろう。その原因が、飯豊なのかはしれないが、溝端が、飯豊と一緒に変化を示していくのは面白い。そして、彼が書く漫画原作を陣内孝則が面白いというのだから、そういうものが書ける状況にあるということだ。とにかくも、さあ、此処からどういう変調をしていくのか、楽しみな段階に入ってきた。

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