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「アイのない恋人たち(第7話)」自分の嫌いな部分を除いていって明日が見えるか?

まどろっこしいドラマであったが、ある意味、あるべき方向に舵が切り替わってきた感じはする。そうなる前に、全てが崩れて行ったのはある意味、脚本的には、そういう現代的なものを実験しようとしたのだろうとも考えられる。

確かに、現代の若い(若くもないが)恋人たちの風景は捉えどころがない気もする。そして、ここにいる若者たちにはあまり未来が見えてこないのが気になる。未来の夢的なものがあるのは、脚本家の福士蒼汰くらいである。彼は前回、その夢を捨てようとして、岡崎紗絵と佐々木希と喧嘩状態になるが、そこまで言ってくれる彼女たちに答えた形なのか?今回のラストには、その未来への道が繋がる感じ。

その前に岡崎の引きこもりの兄を立ち直らせるきっかけを作ることで、自分も似たような状況であることを思い知り、再度、脚本を書くことに挑戦したと言う形である。こう言うパターンは結構あるような気もする。そして、担当の「chatGPT」に書かせた方が面白い的な無礼な言葉は彼に目標を持たせた感じもある。もはや、これからの社会、人はAIと比較される時代だ。でも、不定形な他人と比べられるよりも、そこには「人の血」を入れ込んで違うものを作るという新たな目標ができるのかも?とは思うのだ。もちろん、クリエイター業に限った話かもしれないが・・。

そして、本郷奏多は、初っ端の3人ズーム状態の中で、風俗で童貞を卒業したと言い出す。これは、個人的にはつまらなかった。それもあって、今回のラストに成海璃子とベッドの中にいられる感じになったのだろうが、やはり、商売女とやったから、怖くなくなったみたいな部分も感じ、今ひとつ、ここをドラマチックに感じないのは辛い。だから、故郷に帰るのを一旦やめて本郷を抱きしめる成海璃子の気持ちももう一つ見えてこない。というか、このドラマ、遊川和彦は主人公たちをドラマチックに描こうとしていないようだから、こうなったのでしょうな。わかる気もする。

一番、面倒だというか、何やってんだかなのは、深川麻衣と前田公輝だよね。彼らの結婚観や異性感みたいなものが、あまりに確立していないために、いろんなものに引っ張られて、自分の本音がわからなくなっている。だから、闇雲に家出だとかいう深川がいるのでしょうね。そして、前田の今付き合ってる相手は、かなり真摯な彼女でいいではないかと思うが、彼女と一緒に暮らして楽しいか?と感じている前田がいて、まあ、こういう男は結婚相手にはどうなのでしょうか?というか、何がきっかけがないとしゃんとしないと言うことで、ばあちゃんの丘みつ子を倒れさせたという流れでしょうか?

とにかくも、3組とも、ラストに向かって元鞘に戻っていくような感じではあるが、見ている方は、なんでこんなドラマチックではない恋愛を見せられてるの?と考える部分がある。それが、現代の恋愛事情だといえばそうなのだが、恋愛ってそんなに冷めたものになったわけでもないと私は思うのだが、いかがなものでしょうか?

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