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「ハコビヤ(第8話)」母親の元に運んでください!と思う人はどのくらいいるのだろうか?

最終回もなかなかハートフルなお話でした。子供が来て「お母さんのところに運んでください」。亡くなってしまった母親、消えてしまった母親、逃げてしまった母親、やむなく会えなくなった母親。この世にはいろんなパターンの母親と離れ離れになる話がある。古くは「瞼の母」みたいなのもその系列だし、母親のドラマというのは、たぶん半永久的に作られるはず。まあ、父親の話を作るなら母親の話を作った方が、需要もあるということだ。

今回、語られる母親の話は、ずっと手紙をくれている母親に会いたいというもの。今回は、影山優佳が主導権を握り、運転して手紙の消印の場所まで車を駆ける。だが、持っている写真に似たような人はいるが、本人は見つからない。

影山と子供が母探しをしに行ってる間に、田辺誠一は何か気づいたようで、行動していたよう。そして、影山に、この子のお母さんはもう亡くなっていたと告げる。代わってお姉さんがこの子を育てていて、その子に対し手紙を出していたのは彼女だった。最終的にはわかる嘘だが、続けるうちにやめられなくなったということだ。

そして、田辺は育ての親の菊池麻衣子のところに少年を連れて行き、その届け状のサインを菊池からもらう。そう、もう、この子のお母さんは菊池なのだ。少年もそれを納得する日がするくるだろうし、それでいいのだ。

そして、その話が、今まで何回か出てきた、影山優佳の子供の時の話に重なる。田辺は影山のことを覚えていたし、そして、彼女をやはりお母さんのところに運んであげられなかったことも覚えていた。彼女のお母さんは他の男ともう素敵な家族を作っていたのだ。その場に影山を晒すこともないと思って田辺は彼女を母親に合わすことはしなかった。そう、ラストはこの世には運べないものもあるということの答えだったわけだ。

で、このドラマを見て思ったのは、今日もさまざまな荷物や信書が多くの人の手によって運ばれているが、その中身にはいろんな心情がこもっているし、人間の喜怒哀楽みたいなストーリーがいっぱい詰まっているのだなみたいなことを思うと、街で見かける郵便屋さんや宅配便の人たちが天使にも見えてくるということだ。そう、自分の元に送られてくる荷物にも、それがなかったらビジネスが回らなくなるものも多くある。彼らに対する「ご苦労様」をもっと心をこめて言わなければなとも思ったりした。

この深夜ドラマ、なかなか良かったです。ぜひ、シーズン2を作ってほしい気もします。あと、影山優佳、「春になったら」で助産師の役を眼鏡をかけてやってますが、二人が同一人物となかなか認識できませんでした。まあ、思いの外、お芝居の表情を変えられるのでしょうね、彼女の今後にも期待いたします。

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