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「消せない「私」~復讐の連鎖~(第4話)」復讐できれば地獄に堕ちてもいいという心の袋小路に付き合う本郷奏多

本郷奏多と志田彩良は、裏で会っていて、この間の復讐のエグいビデオも仕込んだのは本郷か?とも思ったが、実際は、志田が雇った男が仕込んだものだった。つまり、復讐の第一章は、志田の単独犯であり、復讐の相手の吉本実優は軽い相手だったということだろう。まあ、ゲスな女は騙されやすいというところか。

そして、二人目の復讐のターゲットは志田を犯した当事者である芳村宗治郎。男という点では腕力では太刀打ちできないから、どのような手でいくかというところ。まずは、彼が行きつけのバーを突き止める。で、そこで本郷との再会となる。本郷は実業家になっていて、そのバーも本郷の店。

そして、驚きながらも、志田は本郷に自分がやろうとしている復讐の話をする。そんな彼女を否定し「普通に生きればいい」という本郷だった。

だが、志田は「普通ってなんですか」「忘れれば救われますか」と反論するばかり。そして、「復讐できれば、地獄に堕ちてもいい」ともいう。そう、ここでの彼女のキャラは未来を見つめるような健全なキャラではなく、過去を清算するだけを考えるキャラなわけだ。

それが、生きるためにいい悪いではなく、それを済まさなければ前に進めないというキャラ。いや、その復讐が生き甲斐になった堕天使というところだろうか?結果的には、自分がそれで幸せになれるかはわからないが、それをしないと居ても立っても居られない状況。そのカオスのような悪意を正当化するのが復讐劇であるのだろうか?

だから、今回の志田の本郷への吐露で、その意識やキャラは明確になり、このドラマの目的もそこだけにあるということを提示し、わかりやすく、ただただ志田の気持ちは他人の心の破壊のためにあるということが明確になる。これは、いい悪いではなく、そんな定義の中でドラマは勢いがつくということがよくわかるところ。至ってシンプルな心の解放をするということ。

そして、そんな話を暗いバーの中でする、志田と本郷の姿がなかなか地獄の底での会話にようであった。志田はこういう暗い照明の中で美しくなるタイプの女優さんのようだ。ある意味、梶芽衣子のような雰囲気。アクションもできれば「女囚さそり」のような役もこなせるだろう。そう、あれも、復讐劇だしね・・。それには、肌の露出も厭わない積極性は必要になろうが・・。

ラスト、志田の想いが、本郷の彼女を愛する心を動かしたというところか。本郷は、志田に協力することにする。もはや、二人で地獄に行く決意をしたということだろう。時に、人間はこういう心のパワーで時代を動かしてしまう。だから、人を簡単に誹謗中傷したり、自分より下等に見て発言し続けたりすることは、危険なのだ。本当に、攻撃した人間の心を狂わせると何が起こるかわからないということを知らしめるドラマなのだろうか?

このドラマが日本テレビで放送されていることが、また皮肉にも感じますよね。



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