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「テッパチ!(第8話)」主人公が直情型の人間であることがメッセージ?

自衛隊というところを舞台にしてドラマを書く場合、そして、それが自衛隊というところを好意的に描き、志願者が増えるようなものにしたいとき、主人公をどんな人物に仕立てるか?というところは結構、重要なところだろう。ここでは、ある意味、生きるということを真剣には考えていないが、その腕力には自信があり、それなりに優しい心を持ったものに、町田啓太が仕立てられている。一人、理由もなくさすらうような男が良いということだろう。そして、そういう主人公には欠点もなくてはいけないわけだ。ここでは、彼がすぐに熱くなり、喧嘩をしたり、勝手な行動を取ったりするところが問題として語られる。

そう、そのような男は、彼に限らず世の中には多くいる。そして、人間が世の中のルールみたいなものから弾かれ、自衛隊にたどり着くということも、そんなに珍しくないことなのではないかと思われる。そして、その主人公の周囲には、それなりに個性のある人々を配置していることで、ドラマ自体がうまく回っているのだろう。そして、ドラマのテーマであるだろう、その町田啓太の人間としてのアイデンティティを明確にして、彼が自衛官として独り立ちできるゴール地点が見えてきている。脚本の流れとしてはなかなかわかりやすいし、興味深く描いていると思う。今回のラスト、恋する白石麻衣から、自分の欠点を明確に言われるところはなかなか強烈だった。

そんな彼の成長を見せる前に、今回は先輩の桐山漣の昇進試験の話。この先輩、中卒で、奥さんと子供がいて、離婚を迫られていて、ギャンブル好きというわかりやすい男。ある意味、試験というやつに真面目に取り組む姿勢がよくわからないといったところだろう。その彼のところに奥さんと子供が訪ねてくる。彼らの関係は決して悪くないのもわかる。そして、子供との関係は良好。そんなところを見せられて、一緒に寝食する仲間たちが立ち上がることになるという流れ。まあ、またまた学園ドラマ的なテイストで流れるストーリーは、ケンカあり、協力あり、誘惑もあり、なかなか空気感を作りながら彼の合格までを描く。そんな、先輩たちの姿を見て、町田啓太も学ぶわけだが、先に書いた白石の注意が彼の気持ちをまた落とす。

しかし、自衛隊というところも、ただ腕力と優しい心だけではやっていけないのだなということがよくわかる。筆記試験の内容はいまいちわからないが、それなりに頭も成長させていかないと除隊に追い込まれるところなのだろう。

そして、来週はまたラグビーの話も出てくるようだ。ある意味、町田の直情的な部分を治すにはスポーツしかないというのも単純だが。相手を思う気持ち、チームワークということ、そしてノーサイドの精神というところだろうか?どう展開させるのか?少し、まどろこっしくはあるが、自衛隊を描くということは、人間の精神性を描くということなのかもしれない。

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