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「家庭教師のトラコ」アクション家庭教師ドラマ?金と教育の関係…

遊川和彦脚本の、変則家庭覗きドラマ。そういう観点から見れば、いつものように、仕掛けられた、少し変わった人物が家庭の問題を解決していく流れは同じ。今回は、家庭教師。最初に出てくるターゲットの家庭三軒が、全く違う環境にあることが面白く、主人公の家庭教師が何を考えてるのかわからないミステリアスさだけで、ドラマを引っ張る感じはいつもの遊川脚本。

主演は、なんと橋本愛!民放ゴールデンの連ドラの主演は初めてか?家によって、雰囲気を変える、ある意味魔性的な女の役ならいけるだろう。初回からその個性的な部分は全開という感じで、彼女の演技で視聴者を引き混んでいるから、このキャスティングは成功なのだろう。

まずは、面接から。最初にエレベーターガールで一緒になる橋本が家庭教師と知り、驚く、美村里江、鈴木保奈美、板谷由夏。それぞれに社会的地位が違う感じが面白い。こういう不特定多数の子供を相手にする家庭教師であり、大学も小学校も、関係なく合格させるという触れ込みみたいだ。そんな彼らに面接で、いろいろ話をしながら「ここで何人が帰られました」とまことしやかにいう中村蒼。詐欺のプロ的な手口でいかがわしさをアピールする。その挙句、全く意味のない階段の上り下りをさせるが、これもオチはないのだろう。こういう、ドラマの冒頭の変わったジャブは、遊川脚本らしくていいが、ある意味、後から考えるとくどい。

ドラマ全体が変化球なのだから、それをどう見極め、いらないシーンは何も言わずに見送るのが良しというところだ。そして、今回の主役は美村家の幼い娘の家庭教師。橋本が彼女に教えることは、お金の使い方。小さい子にお金を貸す論理を教えたり、競馬で儲けることを教えたり、まあ、あり得ない行為から、何を引き出そうとするのか?

結論としては、娘の思い出の流しそうめんを家の中に作ることで、家族の雰囲気が一変するという感じ。受験で大切なことは、家庭の中にいらぬ争いごとがないことだとは、私も思う。なんとなく、勉強をする環境が作られれば、あとは、アクションするのみですものね。これから、この家の受験状況がどうなるのが、見えてこないのが、このドラマの目論みでもあるのだろう。

そう、橋本愛は、結局、子供にお金のことしか教えていない。お金があればなんでもできるという理論で、子供をやる気にさせるのはそれはそれでありですよね。そして、そこのところが、彼女の貯金とどう関係しているのか?彼女が家庭教師をする本当の目的は?中村蒼と彼女の関係も気になるところ、そんな謎が多い中で、現代的な家庭問題を処理していくドラマであることはわかったが、もう一つ目新しさが欲しい気はした。


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