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「パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女」カーアクションシーンをもう少し畳み掛けて欲しかった!

今年、韓国映画2本目。これもかなり完成度は高い。そして、こういうアクション映画が作れる韓国の映画環境がただただ羨ましい。そういう映画のできる人材が多く育っているということだろう。

「パラサイト」の長女役だったパク・ソダム初主演映画。これだけのアクション映画に耐えられる体力はあるのだろう。なかなか堂々とした主演映画だった。そして、彼女の役は脱北者である、特殊送迎ドライバー。その腕を冒頭の仕事で見事に見せてくる。もちろん、ほぼスタントのなせる技だろうが、こういう映画最近、いやここまでのものを日本では作れないですよね。本当に、韓国は映画に対する姿勢がもはや日本とは全く違っていいるし、これならワールドマーケットに売れるという映画を出してきますよね。差がつけられたというよりも、映画を作る意識が全く違うのでしょうな。映画というコンテンツは国の勢いをも示すという感じはしますよね。

とはいえ、やはり予算の問題はあるのでしょう、109分全編、カーアクションのてんこ盛りとはいかないわけで、最初にあるような長いカーアクションは後ろには出てこない。クライマックスも事件の解決する埠頭の外に車が出ないですものね。もう一つ消化不良な感じはあったが、それでもかなり面白い映画に仕上がっていた。

ロシアから脱北者を連れてくるといいうブローカー役のキム・ウィソンが私的にはなかなか好みでした。考えれば、彼だけが死んでいくのは切ないですな。そして、彼らアウトローを捕まえようと追うのは、野球賭博に加わったやさぐれな刑事。そして、脱北者を追う国家情報院。この情報院のボス的な役のヨム・ヘランが、車の車庫入れが下手だといいう件があるが、これは主役が超プロフェッショナルに対する画なのだろうが、いらないですよね。それがなくてもなかなか印象的な女ボスでしたものね。

しかし、そんな二重の追手がいるにも関わらず、題名通りに逃げ切るように描かれる主人公。話の中心を客の息子とのやりとりに当てたのは、彼女の人間性みたいなものを描こうとしたのでしょうね。まあ、映画的にはその辺の流れはうまくいっていて、だからこそ、ラストも綺麗に収まっている。子役もなかなか頑張ってるし、こういう話だからといって、映画が勢いをなくすことはなかった。

韓国はまだ、分断国家でこういうアクション映画にするネタは結構あるのは羨ましい限り。ある意味、日本はアウトローというものが世の中から消えつつあり、昔できたようなアクション映画は話を作ること自体が難しいですよね。テロリストの話にしてしまうと、その主旨というか方向性が見えにくく、観客にシンクロできいるものができないですよね。そんなことも色々考えましたが、日本映画のニューアクション的なものが作りたくなってくる感じの映画体験でした。

これ、本国でそれなりにヒットしたようだから、続編作ってもいいのでは?それを観たいという印象で映画館を出た次第です!



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