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「マウンテンドクター(第3話)」山岳救助とトリアージの難しさと

大森南朋が犯したミスと言われるものに、もっと時間を割くのかと思いきや、この3回目でクリアされたのは、意外だったが、ドラマに加速度つける感じにはなった。

まずは、山で倒れて運ばれてきた患者が、その大森が殺したと言われる患者の娘だったというところから始まる。そこに飛び込んできたのは、父親のおかやまはじめ。おかやまの激昂の仕方はドラマを盛り上げる。そして、貧血と診断された娘を、こんな病院には置いとけないと連れて出ていってしまう。

そんなことがあって、大森に何があったのかを調べ出す杉野遥亮。こういう話の中で、杉野は、至って真面目に見える演技をするので有効な役者さんだと思う。そういう位置で、自分らしさを出していく人なのだろう。

そして、亡くなった患者のトリアージの色が黒だったということがわかる。それも、赤の上からマジックで黒で塗ったあとがある。その現場にいた事故で助かった少年がリハビリに来ていた。そして、大森と何か話しているのが目撃される。杉野は少年に近づき、本当のことを知る。トリアージを赤から黒に変えたのは患者自身だったと・・。

山の救助現場から病院に運ぶのはヘリしかなく。それも、一回に2人しか運べない。周囲に子供が苦しそうにしているのを見て、亡くなった患者は自分を犠牲にしたということ。大森も、その意思に従い、結果的には彼女を殺すことになってしまった。その事実を亡くなった家族に伝えないのも不親切な気がするが、大森はそんなことより、自分の力のなさに挫けた方が大きかったのだろう。

そんな中で、おかやまの娘が再度、救急で運ばれてくる。そして、全身に異常な発疹が出ている。原因を見つけ出そうとする杉野たち。そして、虫に噛まれた後を発見。そして、原因はツツガムシだとわかる。妊婦であることも含め最善の処置をとる。こういうところで、頭にいろんな知識があることが患者を助けることになる。こういうのを見ると、救急医療にはAIなど頼ってる暇はない気がするがどうなのだろうか・・。そして、ツツガムシに噛まれると潜伏期間が1週間もあるというのは怖い話である。そういう知識も含め、山にあるいろんな危険を知ることが山岳医療の肝なのだろう。

そして、おかやまと大森が和解し、ラストで山で再度、挨拶をするシーンは感動的である。ある意味、山は人を繋ぐ力があるのだろう。

で、これで、大森がMMTに入るのかと思ったら、まだ抱える問題はあるようで、今度は宮澤エマに関することらしい。で、このドラマでの宮澤は、今までで一番好印象ですね。彼女の代表作になる予感もする。

とにかくも、八嶋智人が最後に高笑いするように、見ている方も山岳医療というものが回を重ねてわかってくる感じは良いですね。

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