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「抱かれたい12人の女たち(第1話)」テレビがネット的に仕向けられた感じの流れ

テレビ大阪で深夜枠で流されているドラマ。東京では観られないようだが、TVerで観ることができる。ある意味、ローカルの深夜枠の実験的なドラマなのに、主演が山本耕史というのは、かなり贅沢。セットは本当のバーを使っているから、役者以外は低予算というところだろう。

サブタイトルが「台本なしの即興恋愛ドラマ」ということで、確かに全ての流れがぎこちないのだが、ドキュメントでもなく、ドラマでもない中間の部分の不思議な空間があるのが面白い。演じているのも、それなりにキャリアのある俳優さんなわけで、変な棒読みにはならないが、決められたセリフでないのがわかるのが興味深いところ。

1回目のゲスト。つまり12人の女の最初は、高橋メアリージュン。彼女が雨の中、ずぶ濡れで店に入ってくるという流れ。そこで、濡れた服を何とかしようと、山本のきているシャツを貸してくれという。山本が脱ぐシーンがまず、最初の見せ所。そのマッチョな身体を見つめる高橋の表情も面白い。そう、最後にも話してるが、結構、「ドッキリカメラ」の類の演出になっている。多分、設定だけを決めて、そして最後に高橋が山本に「抱いてください」というところ以外は、流れの中で話してる感じ。

その中に、高橋のSEXレスの話があり、それに無理に対応する山本の受け答えが、このドラマの成否を決める感じ。そういう意味では、山本くらいの振り幅の広い役者を使わないと、この企画は成立しない。山本耕史は、メフィラス星人までも演じて、なんでもこいという感じなのだろう。ベストだけの姿になるところで「スギチャン」みたいと言ったところは面白かった。

高橋も最近は、結構重要な役を任されるようになったが、彼女の魅力は、ハーフ特有のその派手な雰囲気だろう。その彼女が、山本を誘っていく様は色々と考えさせられる。男は、そこで、キスまで持っていかれたらイチコロですね。高橋のクチビルは、ルージュの色にます含め、男にとってはブラックホールのようなものだ。まあ、コントに近い芝居だが、実際、美人局などの実行現場はこんななのかなとも思える。酒が入っていったら、芝居じみてるのわからないよね。視聴者の皆さん、お気をつけください。

テレビマンとしては、新しい企画として投げられたものだろう。そして、これ主役を山本耕史が受けたことで成立している。深夜の時間になんとなく観るにも良い感じの企画だとは思う。だが、こういう企画なら、YouTubeでお店紹介のためにやっていたりするのもありそうだし、企画としてもネットで見せるための企画という感じがする。まあ、今のテレビドラマもネットでストリーミングで観てもらってなんぼのところがあるから、こういう流れになってくるのだろうね。ある意味、実験的なドラマなのだが、テレビの起死回生という企画でないのが残念だったりする。かなり、楽しかったですけどね!

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