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「TOKYO MER~走る緊急救命室~(第2話)」研修医のやる気とプロの洗礼と人の喜びと

ラスト、仲里依紗が鈴木亮平の元妻だったという事実はなかなか衝撃だった。次週見ないわけにはいかない状況を作るうまさ。そして、早々と鈴木のやったことがドラマ上でバレてくるというのなら、その先で官僚たちが何を行うのか?なかなかそこが深い構成には見える。

ドラマは今日も2つの事故現場で見事な救助活動を見せる。しかし、こういうチームの話で、最初からここまでチームワークを見せる部隊という設定はなかなか珍しい。その中で最も浮いていた研修医の中条あやみが今日の主役。無謀で的確な鈴木のやり方についていけないという気持ちと、自分にはできないという気持ちで戸惑う姿はうまく描かれていた。業種は違えど、私も新人の頃、先輩たちの仕事ぶりを見て、「こんな場所でやっていけるのか?」と思ったことを思い出したりした。ある意味、紋切り型ではあるが、彼女の心根をうまく描けていたと思ったりする。鈴木が彼女を選んだ理由もシンプルでわかりやすい。

そう、前回に続き、話にはかなり無理があるのだが、人間の心情みたいなものをしっかり描こうとしているので面白いのだ。賀来賢人がチームの中では唯一の敵ということなのだろうが、彼の心の中の葛藤がよくわかるのも面白い。

そして、中条がメスを握るシーンは、なかなか緊張感があって良かった。血が溢れ出るシーンは、危機感を煽るし、パニックになりつつあるところでの、鈴木の登場もうまい。というか、この辺りは時間を色々いじりながら編集してるのだろうなと思ったりする。編集と音楽の付け方ですよね。その辺りは日曜劇場のスタッフの真骨頂みたいになっていますよね。比べるものでもないとは思うが、月9の「ナイトドクター」と見比べるとよくわかる。

そして、リーダーである、鈴木自身の性格が良いことはこのドラマの強みである。とかく、こういうスーパードクターは偏屈なように描かれるが鈴木は至って正攻法に明るく部下たちにあたる感じがいい。彼の笑顔がこの役に似合っている。まあ、前期の「レンアイ漫画家」の役がイマイチ、ピンとこなかったせいもあるのでしょうね。

医療現場に対して、それをいじり倒そうとする官僚たち、鶴見慎吾と渡辺真起子が至って普通のいやらしい人に描かれていて少し面白みがない感じがする。MERを成功させようとする石田ゆり子は、それと対象的にするとこんな感じにしか描けないのでしょうな。最後のガッツポーズは可愛かったけどね。

救急ドラマとして、見ている分には面白いが、ロケが多いし、これから真夏の撮影は大変でしょうね。感染症だけが敵ではないので、お気をつけてくださいね。

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