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「私たちはどうかしている(第八話)」古臭い昭和の怨恨ドラマの令和的展開。浜辺美波の飛翔!

タイトルに付けたように、古臭い怨恨ドラマだった。そして、和菓子屋を舞台にしているということもあり、日本的ないじめ体質もしっかり描きながら、話は見事とは言えないまでも、それなりのどんでん返しで未来に向かっていった。いろいろと不満はあるのだが、浜辺美波の演技に飲まれながら八話を観てしまった。

昨日はBSで山口百恵のラストコンサートが流されていたようで、ネットにはそれに関して、「21歳ですごい!」という声が多かったようだ。浜辺美波は20歳になったばかり。このドラマを40年後に観て、そのころの若者たちがそれと同じようなことを言うのかもしれないと感じた。彼女が60歳になった時、いかに美しくあるかは興味がある。

現在の20歳の女優の中で、これほどの表情の細かい機微を演じられる女優は少ないと思う。そして、観ていてどんどん演技への不安がなくなっていく。最後は老舗の和菓子屋の女将という風格が必要なのだが、ちゃんとできている。このドラマ、浜辺美波の一つのメタモルフォーゼの作品となったのだと思う。

昭和の怨恨ドラマ、それも老舗が舞台とあれば、できない嫁をおしゅうとさんがいじめる構図。基本のそれをしっかり描いて、サスペンスとして見せていく技は、原作が漫画ということもあるが、若者が見ていることも意識してだろう。そして、映像的にも、CGを上手く使いながら、古臭くないようにアレンジしてある。和菓子の描き方は美しかった。そして、いじめ役の観月ありさの狂演もなかなか面白かった。今後はこういう役が増えていくんだろうが、昔のいじめ役に比べ元気そうで手強い感じがいいですな。しかし、襦袢姿で彷徨って、子供を助けて事故に遭うのはないだろうw

話のカラクリは、それほど面白くはなかったが、まあこんなものだろう。和菓子屋というのは、舞台として古臭いが、だからこそ、様々な蘊蓄に新しい発見が見られる。今後もこういう古典的な舞台を守るというドラマは多く出てきそうな気がする。

でも、最初に書いたように、今後、女優、浜辺美波を論じる上で、多分避けては通れぬドラマになったと言ってもいいのだと思う。

横浜流星との美しいカップルという話題だったが、それは確かに見どころになっていたし、とにかく虐められる姿も、夫婦としての妖艶な場面も、復讐する鋭く荒れる気持ちも、彼女は表情を変えてしっかり演じていた。今、テレビドラマの主役をしている日本の女優の中で、20歳でここまでできた人はいなかったと思う。もちろん、映画黄金期のスターならそんなことは当たり前にあったのだが…。

とにかく、下に並べた写真の表情を見ていただいてもわかると思うのだ。美しい顔が変わっていくだけで視聴者を引きつけるものがある。ここで加速して、あと10年、30歳になるときにどれだけのものになるのか、本当に楽しみである。まずは、コロナ禍も関係なく、成長し続ける彼女から目が離せない。それを確信したこのドラマであった。まさに、令和を代表する女優になっていくと思うのですよ。

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