「ジャパニーズスタイル(第2話)」30分の芝居を集中してみられる歓び。
昔のテレビは公開放送でこういうドラマをやっていたことが結構あった。「デン助劇場」みたいに興行自体を毎週放送することもあったし、クイズ番組みたいなバラエティでも、公共のホールに客を入れて公開録画を行なっていた。「8時だよ全員集合」などは、そのテレビ公開放送の結実したものだったのだと思う。今は、あんなものを毎週作る、作り手も、こなしていく役者もいなくなっているのが現実だと思う。テレビが面白くなくなったのは、こういう観客、視聴者と対峙して緊張感ある中で面白いものを作るという観点がなくなったからというところは大きい。そして、コンプライアンスを守るためには、素人を入れて生番組を作るなど危険すぎるということなのだろうと思う。
そんな現実の中で出来る新しい形は何か?と考えたらこういう形はあるなと思ったりする「視聴者公開ドラマ」。形式はドラマというよりは一幕芝居なわけだが、テレビ放送時には別カットも入れているので、テレビ的なものを注入しながらの新ドラマと言っていいのだろう。
最後に、打ち合わせのシーンが挿入されているが、これ、かなり綿密な打ち合わせをしておかないと、この完成度は出せないと思える。そして、それに呼応する役者たちのリズム感になかなか驚かされるし、それがあるからこそ面白い。
しかし、主役の仲野太賀はこの30分、身体目一杯使いながら叫び続けるわけで、まずは体力ですね。彼の芝居に合わせて他のメンバーが動いている感じがとても心地よい。今回は、彼と石崎ひゅーいが仲良くなって、肩車で一輪車乗るみたいな話が出てくるが、そのシーンを見せないでも、十分情景がわかるように芝居ができている。セリフの連打と身体のパフォーマンスで世界が広がることがよくわかる。こういう流れは好きだ。しかし、石崎ひゅーいも、本職でないのに、リズム感はさすがだと思える。
そして、料理長(KAZMA)が指名手配犯人か?という話。オセロで黒しか使わないとかの細かいネタまで振って、最後は犯人の双子の弟だとういうオチにしているが、まあ、これもこの後、料理長をいじくり回すネタなのだろう。そう、こういう連続舞台劇で大事なのは、普通のドラマ以上にキャラクターを膨らませていくことだ。今回は、仲野の高校時代のバレーボールのコーチであった警察官の松尾諭が出てきたりする。まあ、仲野は最後までリベロと言い続けられるのだろう。毎回、いじるごとにそのイメージが増幅していく感じが面白いのだ。まあ、こういうのを「いじめ」につながると捉える人もいるだろう。いちいち、視聴者がそう思うことがテレビをつまらなくさせていると一要因だと私は思う。
この番組、私的には深夜にやるのは勿体無いと思う。しかし、上記のことを考えれば、こういう番組を定時に流すにはこの時間しかないということなのかもしれない。まあ、悲しい話ではある。さあ、次週は菅田将暉が参戦のようで、また、楽しみだ。
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