「未来への10カウント(第9話)」不撓不屈の学園ドラマというエンディングが木村拓哉にフィットできていたのか?
木村拓哉のドラマには珍しく、綺麗すぎるくらいのハッピーエンド。そして、ラストのB'zの主題歌も、この回だけはそれなりにはまっていた。そして、最後に木村拓哉が「不撓不屈」をボクシング部のみんなから教わったという言葉も、綺麗すぎるくらい、普通のドラマであった。9回全部見て、総じていえば、特にひねるところもなかった学園ドラマだったという感じである。だからこその物足りなさみたいなものは強く感じますけどね。
焼き鳥屋とボクシング部コーチ、そして非常勤講師を一緒にやるというのは、普通に考えて無理がある。だが、そこのところは、倒れてもやるというボクシング魂という感じで乗り越える。それができるように、村上虹郎がコーチになったりしていたのだろう。だが、村上のボクシングシーンがなかったのは今だに残念!
最後は、ちゃんと試合シーンが出てきた。こういうのが後2回くらい欲しかったかなという気がする。結局のところ、ボクシング部の彼らのさまざまな成長みたいなものが、全体的には見えにくかったのだ。そういう意味では、これは学園ドラマとしてはダメである。そういう点では「ナンバMG5」に大きく負けている。そう、殴り合いドラマとしても、あっちの方が断然面白い。
つまり、あくまでも、このドラマは木村拓哉主演であり、彼の生活を描くのが先ということだったのだ。そして、最後には、焼き鳥屋の大将として、結婚もして、子供もできるというおまけ付き。その辺りは、ボクシング主題のドラマにしては、綺麗すぎる気がする。ボクシングを通じての男と女の関係は得てして、汗臭いし、少しひんまがった恋愛像が多い。ここでの、満島がボクシングや木村に惹かれていくのは、少し美しすぎる。
そして、親父に反抗していた、内田有紀も、校長の考え一つで、木村を応援する形になるのも、ちょっと優等生すぎて、面白くなかった。そう、ドラマとしてのひねりみたいなものが全体に足りなかったことで、最後の木村の在り方にあまり見ている方が興奮していかないということなのだろう。
とはいえ、脚本的には、最後に木村はボクシング部の選手たちに感謝し、自己のアイデンティテーが回復でき、未来に向けて目が覚めたことを宣言するわけで、テレビドラマ的にはこんなもんでいいのでは?という感じなのですかね。木村拓哉に、いや事務所にそんなに気を遣わないで、もっと、木村が男らしくボコボコになるようなボクシングドラマが見たかったなと思ったものにとっては、やはり物足りなかったですね。年齢も年齢だし、これから、彼主演で何を作れば良いのか?難しい段階にきている感じはします。
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