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「女神(テミス)の教室〜リーガル青春白書(第8話)」山田裕貴と北川景子は天秤

山田裕貴は他塾からの引き抜きを断る。それは、北川景子に対する認識を変えてきたからなのだろう。山田が取り組める、試験に勝てる授業と、北川が教えたい、その試験が終わった後に、司法労働者としてのあるべき姿みたいなもの。その二つの天秤が釣り合ってこそ、意味があるということがドラマの主題なのだとは思う。そういう点では、結構新しいドラマができたのではないだろうか。

こういう専門性のある学校のドラマはまだあまり作られていないような気がする。そう考えると、ネタはまだまだある気はしますよね。そう、社会人未満の青春像としては、そういう方が目新しいものが作れる気がする。このドラマも、恋愛的な部分が前に出ていないところが素晴らしい。あくまでも、司法を勉強するということ、そしてその仕事に就くことに対してフォーカスが明確に当たっている。

今回は、先週、司法試験に向かった南沙良が試験におちたところからのスタート。落ち込んだまま、学校に顔を出さない南を皆が心配をする。そして、北川が、昔、学校時代にやっていたゲームを思い出し、南を誘ってやってみることを提言する。街で見つけた数字で、法律の条項を思い出すというもの。南は、当たり前のように答えていく。10キロくらい南を歩かせて学校に。それで、南の心はリセットされる。それを見ていた、山田は、「くだらないゲームだが、自分に南を教室に戻すことはできなかった」という。ある意味、北川の自分とは真反対なところを認めている部分があるわけだ。そう、嫌なやつというのは、自分とは真反対なところが多い。だから、認められないということだ。そして、司法の場で求められる客観性というのは、その両方の立場に寄り添えるということなのだろう。

そんな話の後に、今日の実務演習。高橋文哉の妹が、会社でパワハラを受けて、自分が求めていない仕事をずーっとやらされているという話で、どういう賠償請求ができるかというもの。この問題も、昔なら当たり前のものが、今の社会ではすごく問題になっているわけだ。そして、そんなの我慢しろという人は今でもいる。だが、憲法では勤労の義務と言うものの先に勤労の権利を謳っているということが話される。勤労の権利とは何か?と考えればいろんな意見が出る。ある意味、法律とはいろんな角度から物事を検討できるようにできているということだろう。こういう話は実に面白い。ある意味、北川景子がこういう話をすることで親しみが起こるわけで、そういうところがテレビドラマの良さでもあるのだろう。

来週から、警察の早乙女太一の話で最終章ということらしい。ここまでのドラマの流れを見ると、期待はできるとは思う。ラストまで、真摯なドラマでいてほしい。

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