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「マウンテンドクター(第5話)」山登りのリスクを考えることと、その山に教えられることと

初回に出てきた、心臓が悪いのに、死んだ妻とのデートだと言って山に登り続ける螢雪次朗が亡くなるまでの話。一人の死者も出さないという中で活動するMMTが大きな挫折を迎えるということなのだろう。それが5回目ということで、ドラマのターニングポイントにこういう話を入れ込んだということだろう。

そう、山登りというものには、常にリスクがあるわけだが、それに魅せられた者は、そんなことよりも山頂に到達した時の気分を優先させていたりするすることも多い。リスクの方を常に考える山岳医であっても、それはあまり変わらないし、患者さんの希望に応えたいと思うのは確かなことだろう。だから、杉野遥亮が螢に少し過酷な山登りを許可するに至ったところに問題はなかったとは思う。そして、流石に熊が出てきて、仲間が怪我をし、その救助に螢が付き合うなどということは考えないだろう。でも、その「まさか」があるのが山なのかもしれない。

今回は、最初に八島智人が初めて山に登って熊に間違えられるというところからドラマが始まっていたから、どこかでクマの話が出てくるのか?とは思ったが、それが螢の命を落とすきっかけになるとは、かなり残酷なドラマである。そして、襲われたのが鈴を持って、クマの備えをしていた登山客という設定も、結構、残酷な話である。

前回の、宮澤エマが山を怖くなった話もそうだが、山登りというのは、たぶん、安全な登山道でも30%くらいのリスクは常に負っていると考えないといけないのだろう。そして、ここで杉野はそれがわかっていても、「螢を上らせてあげたい」という方に心が動いていた。その辺の塩梅を瑕疵だとは言えないが、山の怖さを知る経験値で変わってくるものだとは思う。

そして、いつもながらに死を信じられないで、息を引き取ってもマッサージをやめない杉野という絵面は結構辛いものがあり、杉野も入り込んでよく演じていたというところである。

で、最後は螢に皆の視線が入っていたが、クマに襲われた女性は無事回復したのだろうか?その辺りが脚本の中で描けていなかったのはちょっといただけなかったかな・・。

ここで、多分、杉野がまともな仕事がしばらくできなくなり、MMTの危機ということになるのだろう。それとともに、その必要性も見えてくるということで、ドラマがここからが本番。そう、ちょうど、八嶋が山小屋に行ったことでメンバーが山岳医療の難しさを皆知ったところでもあり、視聴者的にもそのへんのところもっと知りたいとなってきた感じは、ドラマの流れとしては順調というところか?まずは、リスタートをどう切るかが興味深い。

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