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「クロサギ(第8話)」世の中の金の動くところに詐欺がまかり通るという筋書き

冒頭、前回、平野の詐欺にあった山口紗弥加が、平野に協力している図。その傍で山口が札束をカバンに入れてるのはわかりやすい。まあ、彼女を誘き出したところは描かないでもわかるだろうという感じなのだろう。詐欺師の周辺には似たような臭いの人間が集まり、詐欺師は自分が世の中で上にあると思っているから、意外に相手が詐欺を仕掛けてるとは勘付かない。という構図は確かにあるのだろう。そして、企業の重役や政治家など、皆、詐欺師感覚がないと務まらないというのも確かな気がする。

そして、佐々木蔵之介の牙城を崩すために、そのお友達の病院の理事長の津田健次郎がターゲットにされる。佐々木は佐々木で、この前の詐欺事件で浮かび上がった写真から平野を追う展開。

そんな中、三浦は平野の行動をやめさせようと、北海道の案件を与えるが、平野はそれを放り出し、東京で、津田の妻(高田里穂)と接触し、アカサギまがいの手口で津田とのルートを作る。医療機器の販売とキックバックという話が出てくるが、まあ、ない話ではないだろう。そして、ここに出てくるように、こういう機械には正価がないというところが味噌である。薬屋さんもそうだが、患者さんの存在などどうでも良くなる世界が今もあることは、変わりはなく。詐欺師の標的になることも多いのだろう。だから、最後に出てくる生活保護者を入院させて保険金を騙し取るみたいな話をされても驚かない。それも困ったものだというのは確かだが・・。

そして平野は、ただ詐欺で10億いただくのは悪いと感じたのか、上の写真のような段ボールCTスキャンを用意していたのには笑ったが、こんなのを出してくるのが、このドラマがある意味おちゃらけの部分を曝け出している感じで私はあまり好きではない。テーマは重大な日本の危機的状況があるのだから、もう少し硬質なドラマ展開が欲しい。

ある意味、平野が子供扱いされているのだ。普通なら、津田の妻に対してもっと色仕掛けしていくだろう。そして、忘れられない男にしていくような図式は最近は古いのか?詐欺師と分かっていても、身体で繋がっているみたいな雰囲気のドラマが私は嫌いではない。そういうのが大人のドラマだと思うのだが、最近はそういうのもダメなのだろうか?確かに性の扱いは難しいところだろうが、世の中に男と女がいて、それが求め合うところで詐欺が成立することはよくあることでね・・・。そういう芝居ができる男優が少なくなっているのも確かだし、ジャニーズなら尚更やらせないというところか?

そんな中で、佐々木の甥っ子である時任勇気が、平野の正体に気づく。この辺りは、最終回にどう使われるのだろうか?そして、三浦友和も動き出し、佐々木蔵之介をどう平野が喰いにいくかというところ。

そんな様相の中で、黒島結菜が平野を悪の道から引き戻そうとするのだが、この役の描き方が、やはり今ひとつしっくりきていない気がするのは私だけではないだろう。今回のラストの黒島の演技はなかなか良かっただけに、もったいない。

さあ、今回は外国に飛ぶことはないみたいだが、大団円はどう処理されるのか?期待しましょうか?

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