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「ハコビヤ」届けたい人と、届けてほしい人がいる。そして、運ばれるもので人生が動き出す

昨今、物を運ぶことで生活を維持している人が多いという事実がある。そして、そんな流通業が世の中を円滑に動かしているという現実もあるのだろう。その古株である郵便局は、運ぶ速度が落ちて、なおかつ値上げをしたりもするのは、人員不足によるところもあるのだろう。そう考えると、公的機関としては成立しなかったということはわかるのだが、サービスの劣化で維持しようと考えるのは間違いだとは思う。

そんな日本であり、世界なわけだが、その流通という仕事をドラマにするという考えは意外にに少なかったかもしれない。まあ、昔の「トラック野郎」を含め、トラックドライバーの話はよく作られたりもするが、宅配業がその主役になることは意外に少ない。そして、通販や宅配を舞台にすれば、身近な人生の機微みたいなものが描けそうとも思ったりする。

このドラマは、住所なしでも荷物が届けられる特殊な宅配の話である。確かに、こういう探偵まがいのことも含めて宅配を行うという業務があってもおかしくない気はする。ドラマの舞台設定の視点はなかなか面白い。

主人公は、洋食屋を経営する田辺誠一。彼は陰で、住所もわからない人に荷物を運ぶ仕事をしている。客が「ココア」とオーダーすれば、その話らしい。今回のクライアントは戸塚純貴。ギターと楽譜を、一緒に歌手デビュー目指していた相方に届けて欲しいという。住所はない。

それを引き受ける田辺。そして、その日にアルバイトで入ってきた影山優佳もハコビヤを手伝うと言い出す。この影山にも何か隠された影がありそうだし、田辺自身もこの仕事を始めた隠れたきっかけがあるのだろう。そういう部分が、ドラマの進展とともにどう開示されてくるかも興味あるところ。

影山優佳、日向坂46のメンバーだったらしいが、ドラマは初出演らしい。なかなか屈託なく印象的な演技。まあ、顔の印象が強くなってくるのはこれからだろう。見守りたいところ。

そして、ドラマは田辺が、届け先の相手にゆかりがある場所や人を訪ね、彼の家を探り当てるが、彼は、戸塚のことを知らないといい、ギターも一度は受け取らなかった。彼(山口大地)は、若年性アルツハイマーにかかっていたのだ。そんな彼の今を田辺は荷物を届ける間に予感していた。良い人なのだが、家賃の滞納をしたり、突然いなくなったりしてることと、楽譜に記されていた詳細の予定の内容から感じたことだった。とはいえ、ギターを弾けることを見て安堵する田辺。なかなか、小さなお話ですが、深夜に30分枠で見るには良い話でした。

田辺が運ぶものには、いろいろな人の人生の汗みたいなものが隠れてるみたいな話が続くのでしょうか?これ、オリジナル作品ですが、なかなかの好編でした。

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