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「SUPER RICH(第11話)」テーマは、豊かさとは何か?ということだったのだろうか?

初回では、悲しい味のラーメンを食べていた人たちが、ラストでは豊かな味のラーメンを食べている。SUPER RICHとは何か?というところが大きなテーまだったようだが、観ている方には、その着地点に快感はなく、なんか、「そうなの」という感じで終わったドラマということなのだろう。

そう、先週、伏線かと思っていたデイトレーダーの話も、試合が一つ終わった後の資産運用の話ということだったらしく、最終的な騙し合いの中では何一つ役に立たなかったのは、残念。というか、同じフジテレビが作っているのに「コンフィデンスマンJP」のような、妙にガッツポーズが出るような快感はないわけで、前から言っているようにこれは脚本の下手以外の何者でもない。

最後まで見終わって、一番ダメだと思うのは江口のりこをはじめとした、メンバーのキャラ付けの下手さ加減だ。それぞれ顔では主張しているメンバーが、それなりの特技で必死になってる感があまりない。結局は町田啓太がその手腕を買われるような話になるのだが、そうすると中村ゆりの存在が死んでしまっていくような感じ。志田未来も存在では最初から目立っているのだが、結局のところ、彼女の着地点がよく見えない。そういう部分が全員にあったりする。これはドラマとして破滅的な感じ。大体、古田新太をちゃんと目立つようにできないのは、すごいと思う。

そして、最終回の赤楚衛二は、海外に投資をしてくれる人を探す係。ここまでのことができて、また、なんか普通の大学に行きたいというオチはよくわからない、そういう部分でも説得力はあまりない。その伏線も見えない。

戸次重幸が、仮想通貨で儲けて、救ってあげる的にやってきて、結局は、元の借金も返していないし、税金のことも考えていなかったというのは、面白いよりも、無駄な挿話であり、まあ、前に消えた人がどうしているかのシーンということなのだろうが、こういうの入れる無駄が多いというのは、全編に渡ってだと思った。

ドラマの設定としては、一度、破滅した、スーパーリッチの江口のりこが、また、その位置に戻って、人生観が変わる話なのだとは思うが、そういう、なんか描きたいことが全く描けないまま11回、走り切ってしまった。なかなか、このメンツで、この作品というのは、ある意味すごいものを年の暮に見せられてしまった感じ。

江口のりこ主演ということで期待したが、そのエモい感じの部分を全く使いきれなかったことがまた驚いたことである。フジテレビは、本質的にトレンディドラマ時代で培ったドラマ構築力みたいなものを全く無くしてしまっている感じがする。その辺り、来年はもう少し頑張っていただきたいし、来年は日本のテレビドラマが、命運をかける大きな一年になりそうな気がする。とにかく、新しい面白いものを期待いたします。


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