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「ブラックペアン シーズン2(第9話)」 人の命と医師のプライドを天秤にかけるような流れで利権を得たところで何が嬉しい?

ラスト、無謀なダイレクト・アナストモーシスに挑む天城。それを行う患者は過去に内野聖陽の医療過誤で寝たきりになった患者。そこには天城と渡海の双子の兄弟の父親の話とも絡んでいた。ある意味、因縁話を最後に持ってきて盛り上げる感じだが、今ひとつどこにも心がシンクロできない。ある意味、医師は珍しい病気の患者をダシに使って自分の研究を実験してみる職業であると言うことしか頭に浮かばないからだ。

そして、ウィルスだワクチンだと正しいことがわからないような世界がリアルにあることをわかった私たちは賢くなり、ある一部はそんな医師の戯言を聞かなくなっていることも確か。ここで、次の院長を狙う大黒摩季は(何度見ても、この人が医師に見えない)内科医であり、薬屋と一緒になって人間の身体がどんな毒物に耐えられるかを調べる業務なわけだ。まあ、外科医と論点は違うが、人の体で実験を行ってるのは変わりない。そして、その実験を治験というのも戯言である。治るのがわからないのに治験もないものだ。そう、医師など、一人の実験好きな人間でしかない。

手術にしても薬による解決にしても、全てに絶対はないし、それで全てが解決できると思っている医師も実際にはいないだろう。頭のいいと言われる人が多くの過去のデータも含め頭に叩き込み、多くの経験を積んで医師になるわけだが、こういうドラマを見てると、本当に自分の生死を預けられる医師などこの世にいるのかよ?と思ってしまう昨今である。

今回の冒頭。倒れた天城を内野と渡海で助ける。ダイレクト・アナストモーシスをやるのは、内野とアルカノである。ある意味、難しい方をAIと機械がやるのは、これからの未来のあり方なのかもしれないが、見ている方としては納得しない。そして、ここでは、それが済むと渡海は去ってしまう。彼が出てきた意味は、最終回でわかるのか?

そして、最終回前ということもあり、天城が何故にダイレクト・アナスとモーシスができるようになったかの回想も出てくる。その発端は父の論文であり、彼は外科医としての手先の器用さがあってこの手術ができるようになったらしい。そう考えると、この医師は自分の腕を過信して、それをネタに患者とゲームをしているだけのようだ。ここまで、捻くれたものを提示されても、やはり納得はいかない。ドラマとしては、何を言いたいのか?

最後の方で、大黒と一緒に、看護師長の神野美鈴がこの病院のあり方を変えるみたいなことを言うが、組織として変わったところでやはり一人一人の医師にもっと患者と真摯に向き合う状況ができないと病院経営はうまくいかないだろう。まあ、スターの外科医は必要かどうかは、その基盤ができてからの話だ。最後に、その辺りをどうまとめていくのかは興味深くはあるが、まあ、あまり期待しないでおこう。

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