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「罠の戦争(第7話)」犯人確定も、反乱分子は許さないという発想が国を停滞させる

草彅剛の息子を突き落とした犯人が片平なぎさの息子の味方良介だと言うことが明確になった回だった。草彅は、週刊誌記者の宮澤エマを使って、週刊誌にその事実を暴露させようとするが、幹事長の岸部一徳の圧力がすぐさまかかり、記事は差し替えられてしまう。そのくらい、片平なぎさが派閥のキーマンだということがわかる。ということで、ここからは、幹事長VS草彅剛の直接対決となるらしい。ともに相手の弱みを探し出し、そこにつけ込む作戦ということか?

今回は、草彅が片平の部屋を訪ね、問いただすところからの始まり。片平の苦悩する感じの演技はさすがと言える。この役に片平を選んだのは正解だ。そして、日本の女性議員も、そのエグい男社会に同化していかねば、権力を取ることができないということが浮き彫りになってくる。そして、その利権を取るために首根っこを掴んでいるのが幹事長という構図。こういうのは、ドラマとしても見るのは辛い。

そして、その息子の存在を追いかける、杉野遥亮と小野花梨。このコンビ、なかなかいい感じになってきている。杉野の初々しさみたいなのが新鮮で良いのだが・・。とはいえ、部屋の裏に忍び入り、アパートに息子がいるということを確認する様は大胆。そう、臆病なところがないのが、この男の魅力なのだろう。

そして、宮澤エマは、息子が突き落とされた現場の目撃者を突き止める。そして、それを週刊誌で煽って、その瞬間を見たという女がやってくる。彼女が金目当てであることを利用して、片平に隠蔽の真実を吐かせる形にする罠をかける。ここは、なかなか悪であり、金の欲求をうまく使った戦法。しかし、草彅は彼女にいくら出したのか?

一見、優しそうだが、キレると何かしでかすという役には、味方良介はある意味は適役だ。そして、こういう何か溜め込んだものがあるような青年は昨今少なくないと思う。そして、そのキレる理由も、昔ほど、よくわからないい。ここでは、政治家の息子なのに、安アパートに住んでいるというのも気持ち悪いのだ。そういう隠遁とした雰囲気は、現代を表現している。

そして、そんなよくわからないものなど関係ない永田町は、そんなわからないものには絶対動じないという態度。特に、ここでは、あくまでも自分のシナリオを変えたくない岸部一徳が、弱い新人議員を潰すという選択だけを曝け出す。まあ、権力の驕りではあるが、それがまかり通るから、日本の政治は変わらないということがよくわかる構図だ。

そういえば、杉野が、花屋との会話で「複葉」という話をしていた。確かに政界も何人もの数の人間がいるが、それが一枚の葉のように動かないと成立しないということなのだろう。そんな政治をする国にいることが息苦しいとこのドラマを見て思ったりする。

どういう決着がつくにしろ、ドラマとして、今の日本の政界に対して、なんらかの提言をするようなエンディングを期待します。

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