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2023年新作映画レビュー

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2023年1月1日から12月31日に基本、映画館で観た作品のレビューです。ただ、昨今、3ヶ月程度でストリーミングで新作が出てくる時代ですので、そういうものも含めていきたいと考えて… もっと読む
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「アンダーカレント」描きたい世界がもう一つぼやけているが、映画の周波数は嫌いでは…

今泉力哉監督作品だというだけでスクリーンに向かう私。一応、真木よう子と井浦新が出ていると…

「キリエのうた」岩井俊二の映像美学と音楽の扱いには心揺れるが・・。

いまだに岩井俊二監督の新作と言われれば早く観たい。ということで、仕事が溜まってるにも関わ…

「BAD LADNS バッドランズ」ドラマのフォーカスがイマイチ見えにくく、爽快感や刹那感…

黒川博行原作、原田眞人プロデュース、脚本、監督作品。昨年の「ヘルドックス」がなかなか爽快…

「白鍵と黒鍵の間に」バブル期の銀座の一夜の物語

南博の原作を冨永昌敬が監督した作品。予告編を見る限りはどちらかといえばシリアスなジャズを…

「沈黙の艦隊」今の時代にシンクロしつつある気持ち悪さ。そしてこの映画化、これから…

かわぐちかいじの原作が発表されたのがいつだったかと調べたら1988~1996年。連載された当初、…

「ミステリと言う勿れ」現代版、横溝正史的な怨恨話がラノベ風になって成立することに…

テレビでこの原作がドラマ化されたのがいつだったのか?と調べたら昨年の1月から3月。時の早…

「福田村事件」人は何故、人を差別してきたのか?人を虐げることに幸せのありかはないのに…。

今年は関東大震災から100年。それに合わせて作られ公開された映画だ。描きたい舞台、事件の現場は関東大震災が起こってから数日後の千葉の利根川沿い村。そこで起こった殺戮事件。大震災のあと、東京からこのあたりまで、朝鮮人が暴れ、水に毒を仕込んだとかの噂が蔓延し、それに合わせ、自警団が作られ、朝鮮人狩りのような状況にあったと言われる時。たまたま、そこに居合わせた、薬の行商人の集団が、朝鮮人だと間違われ大量殺戮事件が起こったという話の映画化。監督がドキュメンタリーを撮り続けた森達也であ

「春に散る」また一つ、ボクシング映画の傑作が生まれた・・。

7月、8月と私は映画館に行かなかった。観たいと思う映画があまりにもなく、他の色々がそれな…

「水は海に向かって流れる」広瀬すずのひねくれた感情の表現がなかなか刺さる佳作

決して、傑作とはいえない映画だ。だが、なかなか愛らしい広瀬すず主演ならではの映画と言って…

「リトル・マーメイド」ディズニー映画が未だ興行的な底力を持つことに学ぶもの

このところ、少し胃もたれするような邦画を続けて観たので、何も考えずに観られるものはないか…

「渇水」もっと現代なりの飢餓感を描かないといけないのと、もっとアナーキーにラスト…

先週から「波紋」「怪物」「渇水」と漢字ふた文字の日本映画を続けてみる形なった。どれも、現…

「怪物」現代の風刺劇なわけだが、ラストが爽やかなのには違和感を覚えた

カンヌで受賞したわけではないのだが、週末、結構、映画館には客がいた。是枝裕和監督、坂元裕…

「波紋」現代日本に漂う、不穏な空気感を描きながらも、それをフラメンコで振り払おう…

荻上直子監督の昨年の公開作「川っぺりムコリッタ」は、世間から外れた人々の生と死の物語であ…

「最後まで行く」なんだか、冴えない男たちの正月映画というところですかね・・。

あまり情報を入れないで映画を観る人なので、これが韓国映画のリメイクだということは見終わってから知った。そう言われれば、この中身の思想みたいなのがあまりないのは日本映画にはない形だし、韓国映画にはこういう作品は多々ある。そして、警察の裏金が絡んでるのも韓国らしい。それは、いい悪いではなく民族性なのだろう。元ネタは見ていないから比較はできないが、まあ、よくまとまった映画ではあった。 話は12月28日から1月1日までの4日間の警察のダメな男たちの話である。そしてこの題名、主人公の