見出し画像

ユニコーン「川西誕生祭~言うのんが遅うなってしもーてすまんのー笑って許して遊びに来んさいやーわがまま言うてライブにしてもろうたけんねーなにしろたぶん…63回目??じゃと思うけん」現地ライブレポ in 呉信用金庫ホール(22.10.20)

川西さん生誕63歳ライブ、ユニコーン35周年記念ライブが2日連続立て続けに呉で行われた。チケットは相変わらずの大激戦だったが、譲ってくださる方がいらしたおかげで、母と私2人揃って2日間現地参戦することができた。


配信もあったので、細かなMCやらは控えめで大方のことのみ書く。現地で見聞きしたからこそわかったことなどを中心にレポしていこうと思う。


1. R&R はぐれ侍

絶対にやるだろうなと思っていた曲が1曲目。歌い出しを聴いて「…川西さん…今日歌うまい!!(失礼)」という感想を持つなど。
ユニコーンのツアーにおいて、初日はやはり少しまとまらない場合が多いが、この日は最初の曲からバッチリ音もまとまり、すでに完全系の状態だった。


2. GoodTimeバレンタイン

一応川西さんフィーチャーの曲ではあるものの、これをやるとは思っていなかったのでびっくり。
叩きながら歌う川西さんももちろん凄いが、個人的にここでは終始EBIさんに持っていかれた。あれは現地にいた人にしかきっと伝わっていない。

 
ミックスの問題なのか、楽器そのものの音色の話なのかはわからないが(おそらく楽器そのものの特性なのではと思う)、一音だけ、素晴らしくいい音が出る。全体を通して一定のボリュームと音色で安定感があるのだが、ある特定の一音だけ、とんでもなくいい音なのだ。
ベースを聴こうと意識しなくても、その一音がコード進行の中で弾かれると耳をそちらに持っていかれる。低く重く色気があり、地鳴りの如く音が大きい。骨の髄までその音が伝導し、胸に手を当てると響いて震えるのがわかった。


以前民生さんも、「ギターがどんどん増えるのは、別に集めたいわけじゃなくて、『出力も弱いしすぐチューニングもズレるしノイズもひどいし音も基本的にショボいけど、唯一、ここのこの音だけは物凄く良い。この音だけは他のどの楽器もこいつに勝てない。』というギターが多いから。」というようなことを仰っていたが、今回のEBIさんのベースも同じようなことなのではと思う。


3. 素浪人ファーストアウト

これも意外な選曲だった。私が今まで見てきた映像は民生さんがボーカルとハーモニカ、阿部さんがギターだったのだが、今回は川西さんがボーカルなのもあって民生さんはドラム、阿部さんはハーモニカにパートチェンジしており、「この人たちパートチェンジもどうってことないんだよな、涼しい顔して何でもできるもんな」と改めて凄さを実感するなど。

 

4. ヒゲとボイン

ユニコーンの凄さが際立つ1曲。えびこーんの時も思ったが、イントロ、阿部さんのキーボードの後全員が入る部分、あそこの出音がとにかく良い。


ひとつにまとまっている、というとこれまた軽い言葉になってしまうのだが、単に全員が同じタイミングでそれぞれの楽器を鳴らしているのではなく、それぞれがバンドにおいての自分の役割をきちんと理解し、そして他のメンバーの音も熟知し、一人一人がパズルのピースとなって5人で1枚の絵を完成させている。

 
フジファブリックの山内さんも「普通バンドって、何曲か演奏しているうちにだんだんまとまってきて力を発揮するようになるのが当たり前だけど、ユニコーンは出番直前までそれぞれ自由に、スタッフと談笑したり休憩したりバラバラなのに、いざステージに立つと一発目の出音がどこよりも揃っている」と仰っているが、まさにその通りだと思う。

 
ご本人たちにとってはそんなのはいつものことで、今さらどうこう言うことでもないから涼しい顔でいとも簡単に演奏しているのかもしれないが、普通はなかなかできることじゃない。一発目の出音やら、アウトロやら、ユニコーンというバンドの演奏の上手さとバランスの良さを語るには十分すぎるほどの1曲だった。

 
そして全ユニコーンファン共通のこの曲で1番かっこいいところ、アウトロ。ここではEBIさんのベースがかなり重要な役割を担っている。
短く切って弾くのではなく、余韻を残して一音を長めに演奏することによって曲全体にドライブ感が生まれ、よりリズミカルなグルーヴを持った演奏になる。

 
さらにこのアウトロでは、阿部さんの弾くシンセの音色も、かっこよさの大部分を担っていると気付かされた。
若干TM寄りな、所謂これがシンセの音ですと言わんばかりのシャラシャラした煌びやかな音。厚みのある太い音というよりは、細く薄い音を何層にも重ねて立体感と奥行きを出した、一見単純なようで、実は緻密で繊細なあの音色が、アウトロ全体の音のバランスを取り構成を担っている。


5. オッサンマーチ

個人的に、テッシー曲の中でもかなり上位に好きな曲。蘇る勤労の映像を見て一度は生で聴きたいと思っていたもののもうやらないだろうと諦めていた。イントロが始まった瞬間にこの曲だとわかり大興奮。

 
正直、「テッシー曲の中では珍しくキーも高めで、2009年リリース当時ですらちょっと歌うのキツそうだったのに、あれから10年以上経った今歌って高音出るかなぁ」と思っていたのだが、一声目でそんな心配は無駄だとわかった。当時と大差ない軽やかなボーカルに驚いた。民生さんや阿部さんが異次元すぎて目線を持っていかれてばかりなせいで、テッシーもとんでもなくすごい人だということを忘れていた。

 
きっと努力家のテッシーのことだから、喉の調子も調整してきたのだろう、所々歌いづらそうな部分はあったものの、安定感あるソフトで厚みのあるボーカルが会場全体に響き、演奏、歌声共に2009年の映像と大差ないパフォーマンスだった。ユニコーンはメンバー全員、歳をとるスピードが我々より遅いらしい。


6. ペケペケ

EBIさんがドラム横の定位置から下に降りると同時にテッシーと民生さんが集まってきたのを見てこの曲だと確信した。この曲は川西誕か35祭のどちらかでやるのではと踏んでいたのだが、いざイントロが鳴り響いて大興奮。

 
久しぶりに真面目なEBIさんを見た、と言うと語弊があるかもしれないが、ドライブしようよもえびこーんも、「米米米」を引っ提げたはっちゃけ大爆発要因だったEBIさんが、解散前ユニコーン第一期のクール2枚目キャラ時代の歌い方で歌う姿を見たのはこの時が初だった。
ひとえに「真面目に歌う」と言っても、解散前と再結成した後の映像では、歌い方が違う。民生さんを例に出すとわかりやすいが、EBIさんも同様だ。しかしながら、若い頃の曲を歌うと、今でも少し当時の歌い方の名残が見え隠れする。それがたまらなく好きなのだ。

 
現在の、羽のようにふわっとした柔らかい歌い方のボーカルも好きだが、お若い頃の、爽やかでソフトにもかかわらず、どこか鋭さを秘めた歌い方のボーカルも好きなので、どことなく当時の歌い方が垣間見えるこの曲が聴けて本当によかった。


7. すばらしい日々

「え、その曲もうやるんですか!?」というのが率直な感想だった笑
キーボードブースにいるままの阿部さんがギターを肩にかけ、民生さんがそこに歩み寄ったのを見てこの曲だとすぐにわかったが、この曲は完全にライブの最後あたりだと思っていたのでとても驚いた。

 
ここで思ったのは、民生さんと阿部さんの声の一体感。声や歌い方が似ている2人、配信でも一体感は伝わっていると思うが、現場で聴くと、似ているどころの騒ぎじゃない。ユニゾンで歌っているのに完全に一人の声に聴こえた。
「あれここユニゾンじゃなかったっけ、阿部さん歌っていないな。」と思い阿部さんを見るとなんとびっくり、ちゃんと歌っている。あまりに2人の声が1つにまとまっているせいで全く気付かなかった。

ハモる時も、2つの声がハーモニーを織り成しているというよりは、1つの声が2つに分かれて、また1つに戻るように聴こえた。
それぞれの声だけ聞けば違いは明白なのに、2人で歌うとなぜこんなにも似ているのだろうか。
この2人は特に2人で1つの声というイメージが強いが、実は阿部民に限らず、ユニコーンメンバーは皆、「これどっちの声だ?」と一瞬わからなくなる時がそれぞれある。
阿部さんEBIさんペア、テッシー民生さんペアなど、それぞれの声は違うのに、誰かと2人で歌った途端、どちらの声が判別できなくなる瞬間がたまにあるのは、バンドとして長年時を共にし、一緒に演奏し続けてきたからこそなのかもしれない。


8. デーゲーム

民生さんのもとにアコギが運ばれてきた。となると次にやる曲は限られている。どれだろうと考えていると、テッシー、EBIさん、民生さんが集まり出したので「デーゲームだな」とわかった。
最初から最後まで、EBIさんの凄さをひしひしと感じる、とても印象に残った1曲だった。

 
民生さんのオフマイクでのカウントで曲がスタートした瞬間に、EBIさんのベースに耳を持っていかれた。
最初はアコギとベースのみ、特にベースが要の曲なので、ミックスの方でベース自体の音量を上げていたようだが、それを抜きにしてもこの曲のEBIさんは凄まじかった。あの凄さは絶対に現地でしかわからない。

 
ピッキングの音があまり目立たず、全体を通して粗のない丸い音。柔らかくソフトなタッチの演奏で存在を主張することもほぼないものの、絶対にリズムがブレない異次元の安定感でドラムに寄り添い、全体をしっかりと支えて曲の基盤を作っている。

 
そして、EBIさんが弾くベースの最大の魅力は「しなり」だ。
ソフトタッチなぶん、音量はそこまで大きくない。しかし、EBIさんのベースが「いるんだかいないんだかよーく聴いてもわからない、存在感ほぼなしのベース」にならないのは、EBIさんの持つ、特有の「しなり」があるからだ。

 
1音1音に、ビブラートとまでは言わないが微妙な強弱がある。それこそ、押さえている弦をほんの少し指で上げる程度のもの。
1音1音に与えられた微妙な強弱が、フレーズを弾いた時に柔らかな波を描いて心地よくしなり、曲全体のグルーヴを誘発する。これがEBIさんのベースの最大の魅力だと思う。

 
さらにこの曲ではテッシーにも感動した。デーゲームはテッシー曲だが、元のボーカルは民生さんだ。それにもかかわらず、テッシーがボーカルをとり一音目を歌い出した時に違和感が全くなかった。
テッシーの声がすーっと身体に響き渡り、静かに浸透していった。テッシーボーカルには民生さんとはまた違った魅力がある。


個人的に、テッシーは画面を通した時の声と、生で聴く声のギャップが1番大きいメンバーだと思う。初めて生で声を聴いたとき、あまりにイケボで驚いたのを覚えている。画面では伝わりきらない低音域の倍音が鼓膜を震わせ、「テッシーってこんな声だった?」と思うほど。


9. でんでん

これも予想外の1曲だった。
ドラムを叩きながらコーラスやらユニゾン部分を歌う川西さんが目に入り、「なんか当たり前に見てたけどこれだってとんでもなくすごいことだよなぁ」と改めて思った。


そして阿部さんのキーボードソロ。散々演奏してきたであろうペケペケのキーボードソロがなかなかにひどくて笑(民生さんも笑っていらした)、今回の全曲メインディッシュセトリのハードさがよく伝わったのだが、この曲のソロはほぼ完璧。「あんなに演奏し慣れてるペケペケはダメでこっちは弾けるんかい!」と1人で笑いが止まらなかった。


10. キミトデカケタ

特徴的な電子音が響き渡り、すぐに次はこの曲だと把握。歌い出しのタイミングが盛大にズレ、ぐちゃっと歌い始めた川西さんに会場でも笑い声が漏れる。

1曲目のR&R はぐれ侍で「今日の川西さん歌うまい!」と思ったのも束の間、この曲を歌う頃にはすっかりいつもの川西節に戻っていらした。川西節、なんて便利な言葉(おい)

相変わらず川西さんボーカルはエキセントリックだし、EBIさんのベースの安定感は凄まじかったが、ここでは阿部さんの方に意識がいった。
普段のライブではあまり音の調節も念入りにはせず、若い頃のように、原曲に忠実にミスなく演奏しようという感じでもなく、余白とその場で生まれる即興性のようなものを楽しんでいることが多いが、今回は阿部さんの使うシンセの音が、かなり細やかに調整済み且つプレイ自体も原曲に沿った部分が多いように感じた。
特にこの「キミトデカケタ」は1曲の中でかなり様々な音色のシンセが使われているし、かなり久々にやる曲なのだから多少はぐだっとなりそうなものだが、とにかくシンセが原曲に近い。

演奏そのものがどうこうというより、演奏を通して今回のハチャメチャセトリへの入念な準備体制がよーく伝わる1曲だった。きっと相当色々こだわって調整して練習したんだろうなあ。


11. ザ・マン・アイ・ラヴ

完全に予想外な選曲だった。しかも川西さんボーカルだとは。あまりに予想外すぎて、私の周囲の客席でも、大喜びしている人と「なにこの曲…?知らない…」と困惑している人に綺麗に分かれていたように思う。

 
あまりに唐突すぎて、一体どういう狙いと流れでこの曲がセトリに組み込まれたのか全くわからない、川西さんに聞いてみたい。かなり久々にやった曲だし、メンバーは皆大変だっただろうなと思うなど。(余計な心配)最初は困惑する人もいたものの、なかなか聞けないレア曲に、終わる頃には大盛り上がり。


12. 大迷惑

「もうそれやるの!?」曲再び。舞台前から突如上がった火もどき(厳密に言うと火では全くないのだが、あれが何という名称なのかわからないので火もどきとしておく)を見るなり走って飛び込み、蹴ったり猫パンチをしたりなどする(´ё ` )の可愛さ。

 
さすがは散々演奏してきた往年の大迷惑、民生さんのボーカルを始め演奏も、諸々含めて安定感が凄まじい。きっともう全員の身体に馴染んで血となり肉となり、もはや息するのと大差ない感覚で演奏できる曲なのだろう、今までのどの曲より力が抜けているのに、安定感、演奏力ともに素晴らしく、加えて各々余裕まである。
この日あまり喉の調子が良くなかった民生さんですら、この曲では普段通り安定の歌声、「お金なんかはちょっとでいいのだ」では、この日1番の大迫力ボーカルを会場全体に響かせ、あまりの声の通り様に驚いた。
演奏の難しさに定評のある大迷惑だが、ユニコーンにとってはもう実家のようなもの、演奏しやすく身体に馴染んだ曲なのだろう。


13. PTA~光のネットワーク~

こちらも特有の電子音ですぐにこの曲だとわかった。一度は聴いてみたいと思っていた曲だったので大興奮。
しかし、民生さんドラム、テッシーギターで阿部さん、EBIさんはキーボードブースで歌うという形体だとばかり思っていたら、もはやテッシーしか演奏しておらず、4人が曲に合わせて手を振り、もう片方の手でハンドマイクを持って歌い出したときには笑いが止まらなかった。あなたたちって「バンド」で合ってるよね???笑(褒めてる)

 
歌い出したらさあ大変、あっちでもこっちでも好き勝手戯れるものだから目がいくつあっても足りない。
民生さんの歌うパートになると阿部さんを皮切りに全員がゾロゾロと民生さんの後ろに連なり、全員でよくわからない踊りをし始めるわ、Choo Choo TRAINをやりだすわ、反復横跳びしだすわで大カオス。これぞユニコーン、全員55を過ぎようとも遊び心を忘れていない。

 
そんなおふざけをしながらも、喉の調子があまり良くないはずなのに、反復横跳びしながら歌っても全く歌声がブレない民生さんを見て、奥田民生のすごさに惚れ直した。(変なタイミング)
散々「体力がない」だの「年々弱っていってる」だの「衰えまくり」だの言ってるが、よーく聞いてほしい。普通の人間は、たとえ20代の体力ある若者だったとしても、反復横跳びしながら歌ったら声がブレブレになるし息切れします!!!というかそもそもなぜ反復横跳びしながら歌ってるのかわからないけど!!!(根本のツッコミどころが多すぎて話が進まない)

 
民生さんのみならず他のメンバーもあの歳であれだけ動き回って全く歌声がブレないって凄すぎる。バンドブーム全盛期を最前線で駆け抜けたレジェンドたる所以がこんな曲のこんなタイミングで垣間見えるとは。

 
14. チラRhythm

レーザーが客席を照らしまくる他の曲と違って、ミラーボールのお陰でステージが均等に照らされ、レーザーの光が直撃することがないので目に非常に優しい1曲(どんな感想)

  
冒頭、珍しく民生さんが胸に手を当て、「声出せないかもだけど、ちゃんと伝わってるよ」的な長めのジェスチャーを客席に向けてやっていらしたのがとても印象的。あまりそういうことをするタイプではない民生さんだからこそ、この場面はとても記憶に残っている。マルチアングル配信を購入された方は見られるかも?(ノーマル配信ではちょっとだけ映った後別アングルに切り替わってしまっていた)

 
後ろのスクリーンに映し出される映像が、YouTubeに上がってる19年大阪のものと同じで「生で見れた!!」と感動。民生さんのゆるゆるダンスも見れたし大満足。
そして最後の最後、「チラ」で終わる部分が今まで聴いた中で1番決まっていた。


15. さらばビッチ

Zツアーの映像を見て死ぬほど痺れ、かっこよすぎると思っていた曲。まさかやるなんて。予想外すぎて最初の数秒間は「え…?これさらばビッチで合ってる…?本当に???」と思考停止状態になったのだがようやく脳が理解し大興奮。

 
民生さんがドラムとギター、阿部さんはキーボードとギター、テッシーもキーボードとギターと、それぞれが楽器を兼務していたZツアーとは違い、民生さん、阿部さん、テッシー3人ともギターのみの演奏だったのは少し残念だったが、よくよく考えたらZツアーの時が異常だっただけなことに気付く。
あれだけ兼務すれば大変になるのは当たり前だし、しかも今回はハチャメチャセトリの中での演奏、と考えると、このタイミングであの曲をやってくれたということの偉大さ、ユニコーンの凄さがよーくわかった。

 
民生さんのギターソロの後、大サビの阿部さんボーカルが凄まじかった。あれも生で聴いたからこそわかったこと。
演奏に乗せて歌うというより、阿部さんの声自体が1つの楽器のようで、演奏と歌声が共鳴し、会場全体に響き渡っていた。


16. SAMURAI5

阿部さんの喉の調子絶好調曲。よく通るわ、高音もバッチリ出るわ、安定感がすごかった。
曲が始まったあたり、テッシーの、阿部さんを使ったセルフETが非常に楽しそうでほっこりした。

お決まりの阿部ショーの後、「あなたのスピード、やばくなーい!?」で客席に向けて発射された銀テープ。
去年、コロナ渦での人生初ライブ参戦で、これまで銀テはステージ内での発射しか見たことがなかった私。
ユニコーンの演奏とともに、キラキラ輝く銀テが会場全体にふわふわと舞う。丁度頭上に降ってきた銀テに手を伸ばせば、ピンポイントで掴み取ることができた。
あの光景を、生涯忘れることはないだろう。

 
17. Feel So Moon

LIVE AZUMA(フェス)でやったとの情報を聞き、今回もやるのではとひそかに思っていた曲。予想的中。

 ヒゲとボイン同様、とにかく一発目の出音が凄すぎる。それぞれの楽器が1つにまとまり、パーンと弾けるような音とともに曲がスタート。
阿部さん作曲はとにかくライブ映えするものが多いが、この曲もそのうちの1つだと思う。

 
そしてゾーンに入る川西さん。過去に一度倒れてから、もともとの頭を振り乱す全力ドラミングスタイルを少し抑え、ほどほどの力で調節しながら演奏するスタイルがスタンダードになっていたものの、この曲では倒れる前さながらの、全力本気ドラミングが炸裂していた。
覇気と迫力、奥田民生が心底惚れた川西幸一のドラムがそこにあった。

 
18.おかしな2人

出だしのドラムが超大変なのでやらないだろうと思っていたこの曲、まさかやるとは。

 
この曲では、EBIさんとテッシーのコーラスばかり聴いていた。さすがはユニコーンのリズム隊、コーラスも安定感が凄まじい。
テッシーの低音、EBIさんの高音、そして民生さんの中音域ボーカルが見事に合わさり、とても聴き心地がよかった。

 
「私の恋人」という歌詞で民生さんが客席を指差す仕草にも驚いた。チラRhythmの時もそうだったが、民生さんはあまりファンサをするイメージがないので、そういう姿を見る度毎回新鮮に驚く。
若い頃はそんなことをするなんてあり得なかっただろうし、照れ屋でぶっきらぼうな民生さんらしからぬジェスチャーの多さにキュンとした。

 
19. OH! MY RADIO

ライブ前、会場に入った際にステージを見て時計のセットが置かれていたので、「これは絶対にOH! MY RADIOやるぞ」と思っていた。

こちらもとんでもなく一発目の出音が良い。そして阿部民のツインボーカルが響き渡る。
やはりユニゾンで歌うと、1人の声にしか聴こえないお二人の声。配信だとそうではなかったかもしれないが、現地で聴くと、倍音やらエコーやらの相乗効果で、どう聴いても1人の声にしか聴こえなかった。

 
そして「右脳です 左脳です」という歌詞に合わせ、右のスピーカーから民生さん、左のスピーカーから阿部さんの歌声が分かれて聴こえるという域なミックス。
音量バランスや歌声の大きさもほぼ同じな2人なので、がたつきや不自然な箇所も全くなく、まさに民生さんの言う通り「男PUFFY」のようだった。


encore1 WAO!

アンコールで川西さんが出てきたものの、後ろにメンバーがついてきていないことに驚く川西さん。仕方がなくドラムソロを叩き出すと、袖からテッシー民生さんEBIさんが出てくる。が、ドラムソロをやっているのを見て、「じゃあまあいっか」とでも言わんばかりに、小声で話しながらまた袖に捌ける3人に笑い声が漏れる会場。

 
その後、何だかんだありつつも曲がスタート。途中で曲が止まり、どんちゃんボイスからのケーキが運ばれ川西さんのお祝い。
抱負を語る川西さんの話を横で聞くテシ阿部EBIをよそに、キーボードブースの近くに腰掛け、両手でグラスを持ちながらジンジャーエール(?)をお飲みになる民生さんの自由さが大変に可愛らしかった。

 
曲に戻る際、歌い出すも「キーが違う!」となる阿部さん。ギターを爪弾いてキーを確認する阿部さんに「A(のキーだよ)」と教え、冒頭を軽く口ずさんであげる民生さんの甲斐甲斐しさ。
人生は上々だといい、キーがわからなくなることが少ない阿部さんなので、なかなかにレアなやり取りを見ることができたと思う。

 
encore2 働く男

「とーどーかないー♪みーうーごきもできない♪」
辺りに響く若民の声にどよめく会場。しかしながら、その音源が流れている最中に阿部さんが何やらつまみを回すようなジェスチャーを袖に向かってやっていらしたのが見えて、「いーや、このままは行かないぞ」と騙されなかった私を誰か褒めて(誰が褒めるか)

 
もちろんそのままは行かず、始まったのは「働く男」。この曲も生で聴いてみたかったので結果オーライ。丁度数日前に「夢で逢えたら」のオープニング集をYouTubeで見ていたので個人的にタイムリー過ぎて最高だった。

 
心なしか若かりし頃の名残を残した民生さんのボーカルに、寄り添う阿部さんのコーラス。お若い頃に死ぬほど演奏されてきた曲たちはやはり完成度の高さが別格だった。



とまあ、こんな感じで呉2Daysの1日目、川西誕生祭は終了。次回、2日目35祭編に続く。MCやらの描写は控えめで、演奏の話がメインだったが、素人耳の超個人的見解に過ぎないのでその辺はご容赦ください。


ここまで書いて一言。
「何曲やってんねん!!!(急なエセ関西弁)」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?