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電大の魅力


電大。
Dr.川西幸一、Gt.手島いさむ、Ba.EBIから成る3ピースバンド。3人は、5人組ロックバンド「ユニコーン」のメンバーでもある。

 
ユニコーンから奥田民生、ABEDONを除いた、我らが盤石のリズム隊3人で構成される電大。ユニコーンファンなら誰もが電大の存在を知っている。
しかし「ユニコーンのライブは行ったことあるけど電大はないなぁ」というファンが存在するのも事実。


かくいう私も初めて電大のライブに行ったのは去年。それまでは「うーん電大かぁ…曲もあんまり知らないしライブはいいかな…」と思っていた。ではなぜ今こんな記事を書いているのか。


初めて行ったそのライブで大きな衝撃を受けたから。なぜもっと早く行かなかったのかと後悔したから。電大の3人をもっともっと好きになったから。

 
ユニコーンファンなら、純粋にユニコーンの奏でる「音楽」が好きなら絶対に行った方がいい。行かなきゃ損とまで言える。
電大の「音」をちゃんと知れば、ユニコーンのサウンドの成り立ちを、5人が5人でいることの奇跡と感動を、より深く味わい楽しむことができるのに。
川西幸一、手島いさむ、EBI。3人それぞれの持つ多彩な演奏のテクニックを、細かなプレイスタイルの癖を、より鮮明に感じてその魅力に気付くことができるのに。

本当にもったいない。


そんな思いから、1人でも電大のライブに興味を持ってくれたらいいなと、私の思う「電大を通して気付いた3人それぞれの魅力」、そして「電大というバンドそのものの魅力」をまとめてみることにした。





手島いさむの魅力

 
初めて電大を生で聴いたのは名古屋のCLUB UPSETというライブハウス。
3人が登場し、1曲目が始まったその瞬間、驚きで開いた口が塞がらなかった。

 
3ピースとは思えない、音数の多さ。
まず思ったことは「え、これギター1本だけだよね!?テッシーしか弾いてないよね!?なのになんでこんないっぱい音すんの!?」


テッシーしか弾いていないはずなのにあっちでもこっちでもギュインギュインギターの音が聴こえて、何も知らずに音だけ聴いたらもう1人ギターがいるんじゃないかと思うほど。

 
エフェクターやらエコーやらかけてるのかも、と咄嗟にテッシーの足元を確認するもそんなことはなく。
ただ手島いさむという1人の男が、自身の手元のみで、長い年月をかけて培った熟練のテクニックと手技で、そう「聴こえさせて」いるだけなのだ。


ユニコーンを見るとわかりやすいが、基本ギターが2本いるバンドというのは、曲の中で役割が分かれている。
1人は曲のコードを絶え間なくジャカジャカとかき鳴らす「バッキング」。もう1人はコードそのものというよりは飛び道具的にソロを弾いたり印象的なフレーズを弾いたり。ユニコーンでは多くの場合民生さんが前者、テッシーが後者を担当している。(もちろん曲によるが)

 
しかし、ギターが1本となるとどちらか捨てざるをえない。
例えば、1人での弾き語りの場合は、基本的に前者のバッキングのみの演奏になる。いかんせん1人しかいないわけで、自分以外に音を出す人がいないものだから、ギターソロなんか弾こうものなら大事故になりかねない。


その点バンドにおいてはベースもいるので、3ピースでギターが1人しかいない場合は、基本はバッキング→曲間でギターソロに切り替える、を繰り返すことが多い。
しかし、バッキングするにしろソロを弾くにしろ、1人は1人なので、ギターが2本いるバンドに比べると全体の音に厚みがなかったり迫力不足だったりすることが多い。

 
ではなぜ電大はそうならずに済んでいるのか。3人しかいないのに、そうとは思えない演奏をすることができるのか。
テッシーの音に集中するとその謎が解けた。


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