良い家庭ってなんでしょう?

私にとって良い家庭を作ることは、夢の一つでした。

でも良い家庭ってなんでしょう?


核家族と大家族では違ってきます。
核家族では
「構成されている家族に合わせて、柔軟に変化できる家庭。」
「人の出入りが比較的多い家庭」
なのだそうです。


昔、被虐待児でPTSD治療経験もある私は家庭を持って、かなり意気込んでいたように思います。

それに対し、家庭環境に恵まれていた夫は何もビジョンはなかったようです。

最初は、私の「こうあるべき」的な考えが先行し、
頑張りの空回りをしていました。

どうして一緒に「いい家庭」を作ろうとしてくれないんだろう?

そう悩んでいました。


でも、ちょっと考えると、私の思っている「いい家庭」が夫にとって「いい家庭」ではないのかも。

と思うようにもなってきました。


当時は、ちょうど虐待連鎖なんていう言葉が流行りだし、被虐待児は、被害者なのにいつの間にか、加害者予備軍・・というか、もう悪者のような扱いのメディアまで出てきました。

踏んだり蹴ったりとは、まさにこのことです。



ちなみに虐待を受けた子どもが、その子どもを虐待するケースは4%ぐらいだそうです。

ネットの荒らしも、ネット人口の4%ぐらいらしいので犯罪発生率は、そんな感じなのかもしれません。

なので、「被虐待児が虐待をすることを虐待連鎖という」のではなく、「虐待した犯罪者の理由として虐待連鎖もある。」ということです。

例えば、「荒らしをする人は、スマホ中毒ということがある。」というのと同じですね。
だからと言って、「スマホ中毒は荒らしになる。」と結びつけるのは、馬鹿げた話です。


しかし、この風潮は私を怯えさせました。


それ以上に怖かったのは、息子が、知的障害のある発達障害であること。
当時、カナータイプと呼ばれ、主に親の虐待による小児鬱と言われていたことも、私を怯えさせるのには、十分でした。


それで、療育の勉強と共に、家庭社会学も学ぶようになりました。


私は、「とにかく自分は虐待などしていない。息子を愛している。」という実感が欲しかったのです。


世の中、特に権威のある医師や保育士、保健師など『先生』と呼ばれる人に、「虐待しているのでは?」と疑われるほど、落ち込むことはありません。


息子の症状もさることながら、全ての罪が自分に向けられて、磔(はりつけ)にされている気分でした。

息子は、自閉症がすると言われる特有の行動を、次から次へとします。


成長とともに、夜泣き、言葉が出ない、目を合わさない、抱っこされるのを嫌がる。

それがマシになるとすかさず次の課題、

自身の感覚がわからず、自傷、ぐるぐる回る、便意がわからない。

その次は

攻撃的になる、こだわり、叫ぶ、変更が効かない、

ひとつ問題がクリアすれば、また新しい問題がすり替わってきます。


変わらないのは、周りの視線です。

そんな時に、家庭学として学んだのが

「構成される家族の変化によって、
変わることができる家庭が良い家庭である。」

という論文です。


本当に救われました。

息子が変化し、私もそれに合わせて変化している。

このことこそが、いい家庭の第一歩なのだ、と信じることができました。


息子のひとつひとつの行動について、保育園や親戚、ご近所さんに、うまく説明し、ご迷惑をかければ誠心誠意あやまる。

そして、次のステップにいけるように教えていく。

決して、問題を隠すのではなく、充分息子が納得して成長をうながす。

そのために、謝ったりすることも、また私の役割のうちなのだと思うと、心がとても軽くなりました。


☆彡・★彡・☆彡・★彡・☆彡・★彡・☆彡


営業などをやっていれば、人に頭を下げるなんて、しょっちゅうです。

会社の都合で、顧客様にご迷惑をおかけすることや、クレーム対処は、営業の基本です。

その要領でいいのだ。と割り切ったのです。


例えば、3歳ぐらいの時、パニックになってしまった反動で、他人を傷つけてしまった事がありました。

被害にあったお子さんの保護者からは、当然ですが、「本人に謝らせろ。」と言われます。
その気持ちも当然ですし、社会ではそれが正義でしょう。


でも、息子はパニック中の記憶もなければ、パニックになった原因にこだわっているので、悪いと感じるまでには、まだまだ成長していませんでした。

相手を思いやれるようになったのは、小学校高学年ぐらいだったでしょうかー。


だから、「本人に謝らせる。」ことは、無意味だし、逆に「このフリをすれば何事も許される。」と思い込む可能性もあったため、本人にはそういう状況にならないように指導していました。


パニックになってしまってしたことについては、「相手方の想いを真摯に受け止める。」という意味で、私が謝っていました。
土下座もしたことがあります。

そんな感じで、息子の成長に合わせて、私の母としての仕事内容は変わるのだと、認識したのです。

夫に対しても、同じです。

そして、保育士さんや、療育の先生、親の会など、どこでも家庭の問題もオープンにして、「風通しの良い家庭」を目指すようにしました。


結果、夫とはとても良い形で、周りの応援もあり離婚できました。

また、今の夫とも、良い形で再婚できました。

昨日、18年目の結婚記念日を迎えました。

家庭の形も、課題も当時とは、全く違います。

それでも、課題がなくなることはないですよね😊


いい家庭とは、「問題を抱えていても、柔軟に対応できる小さな人の集まり」でしょうか?

今は、幸せな家庭を持てたなぁ。と夫と息子に感謝しています。🧡


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