目標設定
福田です。3月29日の走る研究室のまとめです。
「目標は高く持て」とはよく言われるかもしれませんが、目標を高く設定したはよいものの、結局その目標を達成できず、モチベーションが下がっただけ、という結末は多くの方にとって体験があるのではないでしょうか。
年度末ということもあって、新年度の目標を設定する良いタイミングではないかなということで、今回はこちらのテーマで進めさせて頂きました。
目標を高く持つことのデメリット
最初に古川くんの目標設定について聞きましたが、彼はレース当日のコンディションでレース展開を考えるらしく、レースに対して予め目標を決めることはないそうです。
序盤から、「目標を決めない」というまさかの選択肢が出てきてしまいましたが、これは確かに一理あって、目標を高く持ち過ぎるのはデメリットになるということは他のメンバーにとっても共通認識でした。
三津家さん曰く、普段教えている生徒さんの中では、はっきりとした目標を掲げすぎると、それを達成できないのではないかという不安から、モチベーションを逆に失ってしまう人も多いということでした。
さらに、練習も単発的になりがちになるそうです。例えば、1500mを4分で走るということを目標にすると、400mあたり64秒で刻む必要がある訳ですから、それより速いペースでのインターバル走などを重視してしまうといった具合です。
休みながらそのペースを体に覚えさせたとしても、本番のレースではそのペースが継続してゴールまで続くとは限りません。
このように、目標を意識し過ぎるタイプの人は時には練習メニューを狂わせてしまうこともあるので、目標設定がマイナスに働いてしまうこともありそうです。
目標が正常に機能する条件
近藤さんによると、目標はそれがほぼ達成できるレベルで設定することが重要だとのことです。
特に、レベルが上がれば上がるほど、目標に対して自分の限界を超えていないか、見極めが難しくなってきます。
彼自身の体験としても、掲げた目標を予定通り達成できている時期は、何となくそれが達成できると実感を持てていたというのはあったそうです。
定めた目標に対して、”そうなりたいか”ではなく、”本当に実感が持てるか”、という基準で見るのは目標が妥当なものかを評価する視点として一つありそうですね。
下限としての目標
適切な目標を決めるのは難しいというところで、プランA、プランB 、プランC、といった形でいくつかプランを用意し、最低限の目標を決めた上で、高めの目標を目指すのはどうかという提案をさせて頂きました。
目標は必ずしも一つである必要はないので、段階的に設定したり、特定のレースに出るだけなど、ほぼ達成できるものを混ぜ、達成感を味わいつつ、一部の目標で高みを目指す的な考え方です。
下限としての目標を設定する部分は他のメンバーからも好評を頂きまして、やはり、何かしらの目標を持つこと自体はワクワクするものですよね。
達成できるかどうか分からない目標を掲げる場合は何らかの方法でそれを散らすようにするというのはメンタルを安定させる手段としては機能するかもしれません。
よく、世界レベルの大会でインタビューで「楽しんできます」と発言するアスリートを見かけますが、実際に本心からそう思っているのではなく、背景に目標があって、その上でそのようなある意味で必ず達成できるような目標で散らすというのは無意識で行っている心理的テクニックなのかもしれませんね。
ちなみに、古川くんは合理的に導いた、左右別のシューズ走るというスタイルを箱根で披露し、バズらせることを来年度の一番の目標にするそうです。そういう面でも、彼の行く末はとても楽しみなところですね。
さいごに
ということで、今回は「目標設定」という抽象的なテーマではありましたが、個人的には具体的な失敗談、評価の仕方などから自分の目標に対してもより客観的に見る視点が増やすことができたなと思います!
これからシーズンが始まりますが、適切な目標設定を通じてより楽しいシーズンを送りたいですね!お互いに頑張りましょう!
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