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トヨタグループ各社で露呈しているコンプラ問題の深刻さ

皆さん、こんばんは。

さて、昨年来消えることのない、我が国を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車グループ(日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機)で続々と発覚している認証取得不正問題。

何故、あの超一流企業の代名詞的存在であるトヨタ自動車グループで、このような問題が発生したのか、その根の深さを痛感します。

予算達成必達という風潮、売上至上主義の蔓延、無理な生産計画の推進、挙げれば切りがないのですが、問題発生に至った要因は様々な事情が絡み合っているものと推察します。

トヨタ自動車によるグループ会社ガバナンスはどのように実行されてきたのか?どこまで踏み込んだ調査や精査が親会社として定期的に為されていたのか?

これらが、私自身が抱く大きな疑問点です。

民間企業は当然稼いでナンボのところがあり、利益をできるだけ多く計上して、社員にそれを給与・ボーナス等で還元する仕組みになっており、それ自体は何ら否定するものではありません。

ただ、「利益」か「正義」か、二者択一となった場合、どちらを選ぶべきかと言えば、それは間違いなく「正義」であるはずです。そんなことは言われなくても分かっている、と言いながら、今回の問題が、あのトヨタ自動車グループで起きたことに大きな衝撃があります。

グループガバナンスの難しさは理解できるものの、どこまで「正義」を貫き通す真剣さがあったのか、過去の内部監査や内部統制の調査等において、これまで何も問題点として引っ掛からなかったのか、本当に疑問でなりません。

「これは何か変だぞ」、「おかしいぞ」、「手順が違うのではないか」、といった「直感」に基づく問題指摘はなかったのでしょうか?

性善説がベースの営業部署と性悪説を唱える管理・コーポレートの組み合わせがあって、初めて社内のガバナンスが効いてくると私は信じており、社内で誰もが同じ方向に向いてしまう体質そのものが大問題だと感じております。

今後、調査結果が出て色々な事実が判明してくると思いますが、他の日本企業は、これを他山の石と捉えて、より一層「正義」を貫いて頂きたいと強く願います。

リスク管理コンサル 髙見 広行