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「遺書」

昨日の通し稽古を観ていまして、ふと。
ああ、この「さよう、ならば、また、」は、僕の遺書かもしれない、と。

脚本を作っている時はそんな事は感じなかったのですが、何故このセリフを書いたんだろう、なぜこの言葉を大事に大切にしたのだろう、と俯瞰で観ていて、ああ、これは最早、遺言なのだろうと。作品自体が僕の「遺書」です。

これはもう観てもらえたら分かります。

いつ死んでもいい、などとは思いませんし、もちろん今死にたくなんかありません。大切な家族や、大切な友人、お世話になっている方々、応援してくれる皆様とお別れしたくなんかありません。

先日、時速246立ち上げメンバーで、今も時速246億を一緒にやってくれている、磯部くんと江口くんが通し稽古を観てくれました。

とてもとても嬉しい感想をもらえて、心から嬉しかったわけですがその中で

「川本さん、時速246億、もうこれで終わりでいいんじゃないですか?」

と。確かに、これで終わりでいいのかもしれない。

先日発表した11月公演ももちろんやるのですが、実はそういえば僕の中でも考えていた事があります。

僕は今年で50歳です。

この先、どういう事が出来るか、どれだけの方々と知り合い、どんな「場づくり」が出来るか。

時速246億は「場所」です。
「場所」があるから人が集まれるし、何かが起こせる。何かが起きると、次へと繋がる。

17年やってきたみたいです。

50歳という節目。年齢というものはあまり関係ないかもしれないのですが、ここらでフェーズが変わる気がしています。

2024年「さよう、ならば、また、」と11月公演「お暇をどうぞ」
その後はちょっとバコッと考え方を変えようと。
いやいや、246億全然やるかもしれないですよ、でもそうでないかもしれません。
当然物事に永遠はないので、いつまでも同じ事を続ける事なんて出来ません。物理的にも出来ないのです。
現状維持、というのはだんだんと落ちていく現状なので、覚悟や勇気と戦いながら、次の世界へと、そしてそのまた次の世界へと進んでいかなければいけないと思っています。

生きていくというのは地獄です。
知り合ったら必ず別れがやってくるし、愛してもどちらかが必ず死ぬし。食べなければ死ぬし、食べても死ぬし。

もうどうやってもどうにもならない終わりが確定しているからこそ、もがいて生きていかなければいけない。抗える所に限りがありますが、限りある中で精一杯抗いたいのです。

今回、本当に知り合えて良かった面々に囲まれています。それは今回のオーディションメンバーはもちろん、様々な場所で知り合った大切な皆様とか、長年支えてくれている面々とか、今現在の状況を昔の僕に教えてあげたいくらい、贅沢で愛おしい環境です。

もっともっとそんなみんなを幸せに出来る「場所」を作りたいと燃えに燃えています。

ここで死ぬわけにはいきませんし、何がなんでも生きていきます。いつも生き様を世にぶん投げます。

今回の「さよう、ならば、また、」は、僕の葬式で映像でも流して欲しい位な、今の全てが詰まった作品です。多分、このnoteの文章の意味を分かってもらえると思います。あ、それ死後かあ。死後に報われるのか?いや今報われたい!!!

どうしても、これを観てもらえないと困ります。

50年目で廃校になるお話にしました。
50年目で「場所」がなくなって次へ向かわなければいけないお話にしました。
50年目でお別れをするお話になりました。


おそらく僕の葬式でも映像流すんで、そこで観ればいいや、とおっしゃる方もいらっしゃると思いますが、もうすぐ生でやります。
僕の葬式で「この舞台を私、生で観たんだよ」と小さな自慢できますので、劇場に来てもらえたら嬉しいです。

https://jisoku246oku.com/info/sayou_naraba_mata/

「さよう、ならば、また、」

誰もが、誰かと接続してる。
開校50年という節目に、廃校する高校。
最後の卒業生と、かつてその高校に通っていた者たちの魂たち。
出会いがあれば別れがある。
そして、別れがあればまた出会いもある。
「さようなら」の向こうに、何があるのか。
そこに残る余韻は、どこにつながっているのか。
場所に刻まれた、さまざまな記憶と感情。
時を超え、生死を超え、ひとつの終焉を共有する人々の、「接続」をめぐる物語。
フルキャストオーディションを経て 数百名の中から選ばれた24名。
2チームによるダブルキャストでお届けします。
時速246億「さよう、ならば、また、」
2024年4月13日 (土) ~2024年4月21日 (日)
作・演出:川本成(時速246億)
≪team さよう≫
道本成美、横室彩紀、平岡美保、久保明日香、高橋みのり、青木萌、富山華佳、
ふたろ、渡邉天斗、境秀人、岡山誠、松川貴弘
≪team ならば≫
一鷓優那、大串有希、にゃんこスターアンゴラ村長、植万由香、馬渕香那、奥村優希、
山田桃子、小泉茉鮎、冴人、阿部大介、石
S席:8,800円(最前列)
A席:6,300円(当日6,500円)
U-20席:3,800円(観劇時20歳以下対象)




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