ソルフェージュを勉強してみませんかという話🧸

ソルフェージュとは、音楽基礎能力・基礎知識を上げる目的で行われる勉強や練習全般のことです。
ダンスでストレッチやウォーミングアップをするように、スポーツで筋トレや走り込みをするように、英語で単語や文法の暗記をするように、音楽ではソルフェージュを勉強します🌸

また、ソルフェは筋トレや英単語暗記などと同様に、誰かに教えてもらわなくても参考書やネットを駆使して1人でトレーニング出来るものでもあります💪

もちろん、ジムに行ってトレーナーさんに教えてもらったり、塾や学校で教えてもらった経験がある人は分かると思いますが、独学よりもプロに教えてもらった方が断然良いです。教えのプロは、正しい知識を短期間で確実に身に付けさせる能力(大手だとカリキュラムとか)があるので、独学よりも成長のスピードが速いですし、変な癖がついたり、間違った方向へ努力するのを防いでくれます。

ただ、多くの人は[時間もお金もそんなにかけられないし、習うほどガチじゃないんで…]って感じだと思います。あとは、[こんなに初歩の段階で習うのは恥ずかしいし、なんだか勿体ないからある程度出来るようになってから習いたい]という人もいると思います。

私の経験からすると、
初歩の時点でプロに習う⇒それを元に自分で練習(勉強)する⇒独学で限界に達したら習う⇒自分で…
というのが1番良いと思いますが、なかなか最初から習う勇気は無いし、どこで習えばいいのか分からないっていうのが現実だと思います。

実際、私も最初は独学でスタートしました🙋🏻‍♀️

ソルフェージュ能力が上がるとパフォーマンスも上がるので本当にオススメです✨

でも何から始めればいいか分からないという人向けに
🐠楽典
🐳コールユーブンゲン
🐙新曲視唱
🐋リズム
🦩記譜法(聴音導入)
🐟聴音
にしぼって、オススメの教材や練習方法などを書いたので参考にしていただけると嬉しいです。
最初から全て揃えるのは大変なので出来そうなことから始めてみてください!!✨
五線紙はネットで無料で公開しているものもあるので、プリンターがあれば買わなくても大丈夫です。

⚠️間違っていることや言葉足らずで誤解を招く表現があれば指摘していただけると有難いです⚠️

実技ほどではないけど、ソルフェも人に習った方が絶対良いのでそれはご了承ください!!!🙇🏻‍♀️
正直、独学だと[習慣的に許されてること]とか、[本にはこう書いてあるけど実際よく使うのはこっち]とかがわからないし、合ってるのかわからない状態で勉強するのはしんどいと思います…。
何かわからないこととか曖昧なことがあった時に気軽に相談出来る人がいるっていうのも安心だし、そういう意味でも、先生に習うことや同じように勉強している人と知り合うことは大事だと思います。
あ!もちろん私も基礎なら教えられるので私に連絡くれても大丈夫です!!


🐠🐠🐠楽典🐠🐠🐠
楽典は、楽譜の書き方や読み方、使う記号や音符・休符、音階や音律、和音、調、終止、楽語(音楽用語)、曲の形態や種類などを学ぶ勉強です。
私は、ト音記号ってどこから書き始めるんだっけ、楽語って何ですかってレベルから始めたので、知識ゼロからでも大丈夫です🙆🏻‍♀️

ソルフェージュの中で唯一[普通の勉強の仕方]が通用するので1番手をつけやすいと思います。また、楽典の基礎が分からないと他のソルフェで求められる前提が理解出来ない可能性があるので楽典を一通り読んでから他のに進んだ方が(個人的には)良いと思います。
最低限【音部記号、音符、休符、音名、音階、調号、拍子】を知っていればそれなりに生きていけます🍣

とりあえずお金をかけたくない人は【洗足オンラインスクール(Senzoku Online School of Music)】の【楽典】を読んで勉強するのがオススメです!無料なのに分かりやすくて最高です。
将来的に音楽の道に進みたい人や、ちゃんとした参考書の方がやる気が出る!という人は音楽之友社の【楽典 理論と実習(🐝黄色い本)】や【楽典 音楽家を志す人のための(白いカバーを外すと🦋青い本)】がオススメです。

🐝黄色い本:基礎、みんな持ってる、分かりやすい、レベルは洗足オンラインとあまり変わらない気がする…
🦋青い本:基礎〜発展、受験生とかは割と持ってる、情報量が多い、1冊あると便利

どちらも楽器店やネットで購入出来ますし、楽器店なら試し読み出来る場合がほとんどなので、パラパラ読んでみて欲しい方を買ったら良いと思います。ただ、最初から青い本だとハードル高いかも…。

最初は暗記しようとせずに〈へーそうなんだーおもしろーい〉くらいで読み進めちゃって大丈夫です。とりあえず全部に目を通すだけでもある程度知識はつきます。
あとは普通の勉強と同じで、内容を暗記して問題演習をたくさんすれば自然と出来るようになります🌷
最初は〈あっ!これ知ってる!楽典でやった!〉というレベルから〈ここはsubito pだから優しい方がいいな〉とか〈属7から1度に解決してるのをちゃんと表現するぞ〉とか〈2度上の調に転調してる〉とか楽譜読んだだけで考えられることが増えるし、実際にピアノ弾いたり歌ったりする時に活かせるようになります。



🐳🐳🐳コールユーブンゲン🐳🐳🐳
コールユーブンゲンとは、ドイツの作曲家が合唱を教えるために作った練習曲集のことです。音程、リズム、和声感など[合唱をはじめとした歌全般に必要な能力]を身につけるために勉強します。
主に、🌹赤い本を使っている人が多いです。
これを最初からちまちま練習していくのですが、この時にピアノ(iphoneアプリでも🙆🏻‍♀️)などの音程が確かなものを使って音が正しく取れているかを確認しながら進めていきます。自分が歌ったものを録音して聞いてみるのもオススメです。リズムが苦手な人はメトロノームと一緒に練習しましょう!
後半になるとハ長調以外のものも出てきます。もし、とてつもなく歌いにくい人は[移動ド(階名唱)]の方が合っているのかもしれないのでネットで調べるか移動ドがわかる人に練習方法を聞いてみると良いと思います!!
⭐️私は移動ドと固定ドを混ぜて使ってるタイプなのでどっちの練習もしていました⭐️

余談ですが、2分の2と4分の4、8分の6と4分の3を同じような感覚で練習していると後々大変なことになります。最初から拍子ごとの性質やキャラクターを理解して練習する方が身のためです。(実体験)


🐙🐙🐙新曲視唱🐙🐙🐙
新曲視唱は、初めて渡された楽譜をその場でちょっと読んですぐ歌う練習です。これが出来ると譜読みと音取りが格段に速く、かつ正確に出来るようになります✨
視唱の練習本はたくさんあるのですが、音楽之友社の【視唱の練習 和声感の育成をかねて(🐢緑の本)】は万人にオススメです。

🐸おすすめポイント🐸
①めちゃめちゃ簡単なものから転調やmolldurまで、章ごとに細かくポイントを絞って練習できる
②全調の練習ができる
③和声感を育成しやすい(和声が書いてあるものが多いからピアノで和声付けして復習しやすい)※和声とはギターのコードみたいなものです
④1冊終わらせれば視唱はとりあえず大丈夫(受験のための問題演習はまた別の話)
⑤課題がたくさん載っていてお得感がある
受験生は強弱やアーティキュレーションがほぼ書いてないので物足りないかもしれませんが、普通に視唱を勉強するには十分すぎる内容かと思います。
これで2600円くらいだったので是非買ってください…全国の楽器店かネットで買えます…売ってなかったら取り寄せも出来ます…。

視唱は初見の読譜力を鍛える練習でもあるので、30秒から1分程度で予見(楽譜を読むこと)して歌うのがオススメです。負荷をかけたい人は予見3秒ぐらいでやりましょう!!楽しいです!!✨
1回で出来なかったらもう1回やってみます。その後、ピアノで音取りしたり、テンポをゆっくりにしたり、リズムを分解したりして練習します。何回やっても良いので完璧に歌えるようになるまでやりましょう!!
⚠️また、練習した後は必ず1回通して歌いましょう!
練習した後くらいの完成度で1回目から歌えるようになるのが目標です🐓
コールユーブンゲンと同様に、録音して聞いてみるのもオススメです!ピアノで和声付しながら歌うと更に良いです。(レッスンだと先生が伴奏してくれるから良いんですよね〜!)

あと、前にやった問題を時間が経ってからもう一度やるのもオススメです。前に出来なかったところが出来るようになってたり、やっぱり出来なかったりするので新たな発見があって楽しいです!✨


🐋🐋🐋リズム🐋🐋🐋
リズム練習は、リズムが苦手な人はもちろん、[別に困ってないけどちゃんと練習したことはない]という人にもオススメです。
私も勉強する前はリズムそこそこ出来てるつもりでしたが、今思うと本当に出来ていなかったなぁ…という感じです。今も苦手ですが…。

ポップスやミュージカル、ジャズ系の人は[正確にリズムが取れなくてもなんとかなる]場合が多いですが、リズムが正確に取れるようになると今まで見えていなかった世界が広がるのでオススメです。なんとなくやるのと正確に取れた上でリズムを崩すのは全然違いますし、ピッタリはめなきゃいけないリズムが取れないようだといろいろと厳しいのではないでしょうか。

リズムが取れるようになるには
①一定のリズムを取り続けることに慣れる(テンポキープできる)
②リズムパターンを覚える
この2つが重要です。
リズムは、基本のリズムパターンの組み合わせです。
タイがついたり、使う音符が変わったり、拍子やテンポが変わることで難しくみえるだけで、分解してみれば意外と単純だったりします🐣

リズムパターン🐾
例:4分の4拍子の1拍分を16分音符で表す
①タイなし⇒タタタタ(とんかつ) ♬♬
②1~2にタイ⇒タータタ(サーカス)♪♬
③2~3にタイ⇒タタータ(スイーツ)♬⌒♬
④3~4にタイ⇒タタター(ラリホー)♬♪
⑤1~2,3~4にタイ⇒ターター(シーソー)♪♪…
まだまだありますが、割愛します。
この③をそのまま2倍の長さ(2拍分)にすると♪♩♪となります。これもリズム的にはタタータです。
この他に3連符などの連符系を加えたら、あとはタイでつなぐ場所と音符の種類でどんなリズムも作れちゃうことがおわかりいただけたでしょうか…??
また、4分の4では簡単なリズムも8分の6に書き換えると難しくなるように、拍子によってあえて取りずらくなっているものもあります。
これらは全て簡単なリズムに分解して練習すれば絶対に出来るようになります。

リズム練習初心者の方には音楽之友社の【リズムの基礎(🌼黄色の本)】がオススメです。単旋律リズムは声に出してリズム読みか手で叩く、複旋律リズムは片方読んで片方叩くか片方右手で片方左手で机などを叩く、というのが一般的な練習方法だと思います。
⚠️この時、メトロノームに合わせて練習するか、(自分でテンポをキープする練習なら)録音して行います。
両手で机とか叩くと同じ音になって分からない場合は、片手はペンで叩くなど工夫すると良いです。
リズム読みですが、この本には音程がついていないので「タン タン タ タ タン」などのシラブルで練習します。

ちなみに私は、拍子の1拍分の音符はタン、2拍分以上はター、1拍分以下はタで読むように教わりました。
休符は心の中で数えるかウンやウで読むことが多いと思います。


🦩🦩🦩記譜法🦩🦩🦩
記譜法は楽典の中の一部で、楽譜を書く時に必要な知識を勉強します。
これを身に付けるには、五線紙を用意して楽譜を書いてみるのがオススメです✨
簡単な記譜法が分かると簡略化された楽譜でも読めるし、自分で作曲した曲や耳コピした曲をカタカナのドレミやコード名ではなく、正式な五線紙の楽譜として書けるようになります。
聴音を勉強する上で最低限知っておきたい基礎知識を下にまとめました🙆🏻‍♀️

記譜法基礎知識🐣
⭐️音部記号:基本はト音記号とヘ音記号です。書き始める位置とその記号が表す音(ト音⇒G音、ヘ音⇒F音)を理解して書けるようにします。
※知ってると便利なアルト記号は【ΙК】と略記をすることが多いです。くの曲がったところがC音を表します。
⭐️調号:その曲の調を表すもので、毎段音部記号の右隣に書きます(ハ長調イ短調は調号なし)。5度圏を覚えると便利です。
※#系は調号の1番右の#が付いている音の2度上が長調の主音、♭系は調号の1番右の♭が付いている音の4度下が長調の主音(調号2つ以上は右から2番目の♭の音が主音ともいう)です。同主短調の主音は長調の短3度下の音です。
⭐️拍子:その曲の1小節に何の音符がいくつ入るのかを表すものです。途中で拍子が変わる場合を除いて、楽譜の1段目にのみ(調号の右横に)書きます。
主に2拍子系と3拍子系があり、単純・複合・混合などの違いがあります(が最初はそんなに気にしなくても良いです)。6/8は2拍子系、3/4は3拍子系です。
※4分の4はC、2分の2はalla braveというCに縦棒1本足した記号を使うこともあります。むしろ、作曲や聴音ではこちらの方をよく使います。
⭐️小節線:小節を区切っている縦の線のことです。曲の終わりには終止線という右がちょっと太い2本の縦線を使います。
⭐️音符と休符:全音符(休符)から32分音符(休符)くらいまで覚えておくといいです。書き始めの位置とか大きさとか全休符と2部休符ってどっちだっけ〜とかなるので、とにかく書いて覚えます。
⭐️臨時記号:臨時記号は音符の左に付けます。なぜなら、楽譜は左から右に読むから。確かにそうなんですけど教えてもらった時に目からウロコでした。あ、臨時記号とは調号とは別に音符に付けられる#や♭、ナチュラルのことです。ダブルシャープ(×)とかダブルフラット(♭♭)を使うこともあります。
⭐️大譜表:ト音譜表(ト音記号の楽譜)とへ音譜表をセットで用いた譜表のこと。1段目にト音譜表、2段目にへ音譜表を書いて、譜表の左端を(ト音譜表の上からへ音譜表の下まで)縦線で結んで{こういうカッコでくくります。小節線や終止線も2段貫いて、2段で1段分として使います。簡単に言うとピアノの楽譜をみたいなやつです。
複旋律や和声聴音ではこの譜表を使います。

多分これくらいの知識があれば楽譜を書くにはそんなに困らないと思います。
とにかく聴音を解いて答えを写したり、手元にある楽譜を書き写してみたり、移調してみると1番手っ取り早く身につくと思います。出来るだけいろいろな調、拍子、リズムのものを書くのがオススメです✨


🐟🐟🐟聴音🐟🐟🐟
聴音は音楽を聴いて楽譜に書きとる練習です。単旋律、複旋律、和声(4声)という3種類を決められた回数内で書きとるという方法がメジャーです。

単旋律:ひとつのメロディを書きとる
複旋律:同時にふたつのメロディを書きとる(大譜表)
和声:和声的に進行する4つの音(上からソプラノ、アルト、テノール、バス)を同時に書きとる(大譜表)
※この他に、リズムだけを書きとるリズム聴音や4声ではなく6声の和声聴音などもあります。また、通常は演奏と同時に書きとるのですが、演奏が終わってから書きとる記憶聴音などもあります👹

聴音も【洗足オンラインスクール】で練習するのがオススメです。楽典も素晴らしいですが、洗足オンラインの聴音は本当に最高です。ありがとうございます。
無料とは思えないクオリティと量で、超初心者〜藝大受験生までみんなが愛用しています🐥とりあえずこれは本当にオススメです。
楽器店で聴音のCD付き問題集も売ってますが、洗足オンラインで十分かと思います。ただ、機械の音なので聞こえにくい部分やすごい飛んでくる倍音とかバグとかもたまにあります。あと、記譜法的に間違ってる所もたまにあるので注意してください。そういう意味では普通に出版されてるものの方が安心かもです…。

余談ですが、聴音はえんぴつ(2B)や太いシャーペン(0.7~0.9)を推奨されることが多いです。音符を塗りつぶしやすいので…。ただ、現役時代の私は頑なに0.3のHBシャーペンを使い続けていたので何でも大丈夫です。消しゴムは間違いなく消えやすいやつが良いです。

聴音が出来ると耳コピ能力が上がるし、全体としてのソルフェージュ能力も上がるのでオススメです。聴音を見れば大体のレベルがわかるのでテストに使われやすい科目でもあります。


🎈まとめ🎈
長々と読んでくださりありがとうございます。
本来はこういう知識にもお金が払われるべきなのかもしれませんが、コロナで自粛ムードが続く中で暇を持て余している人には是非ソルフェージュを勉強してほしいと思って書いてみました。
プロじゃなくても、音大に行くわけじゃなくても、音楽が好きで少しでも上達したい人はソルフェージュを学ぶべきだと思っています。
最初は全然出来なくても続けていけば絶対に力が付くので、ちょっとずつでも勉強していってほしいです。

Let'sソルフェージュ!!!✨


written by 田中瑠奈(TANAKA Runa)🧸

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?