「3月のライオン」
まだ春一番が吹いていないのに3月の名の付く漫画について。
藤原さくらさんの「春の歌」(スピッツカバー)を思い出してこの漫画を書こうと思います。
この漫画は”将棋”が舞台。
入り口は漫画、アニメ、実写映画化があるのですが、私はアニメでした。
あらすじ
東京の下町に一人で暮らす、
17歳のプロの将棋棋士桐山零
史上5人目の中学生プロデビュー棋士として周りから期待される零だが、
彼は幼い頃に事故で家族を失っており、生活の上でも盤上でも
深い孤独を背負っていた。
彼の前に現れたのはあかり、ひなた、モモの三姉妹。彼女たちと接するうちに零の心の内に温かな気持ちをゆっくり取り戻していく......。
第1印象は絵のタッチ的にはさすが少女コミックというのと、将棋について、人についてちゃんとまっすぐだなという印象。
アニメを見た時も優しい感じとたまに来るフフッと笑ってしまうシーンはザ・少女コミックと感じました。映画で見ると将棋という独特の世界で生きる主人公:桐山零と川本家と棋士たちの複雑な葛藤がより絡まっているのがわかります。変な言い方ですが、そこでちゃんと生きてる。絵で柔らかく捉えられていたものがそぎ落とされて、人間のむき出しの感情が伝わって少しシリアスになっています。
そして、登場人物一人一人のセリフがいい。
好きなセリフ
「人に伝わるのは結果だけじゃない
世界は結果だけで回っているんじゃないよ」
「潔いと投げやりなのは似ているようで違うんだ」
少し離れた話をします。漫画で描くとき、音楽やスポーツであれ、その時実際では起こりえない描写や目に見えない音楽に関する背景があります。
それはアニメや漫画のなせる業。こんな風に。
じゃあ実写に何が残るのか。
”作品のストーリー性"、言葉のみの説得力です。少女コミックの実写化ではどうしても非現実性への再現度が難しい。この漫画は現実性が高い話なので映画としても面白かった。もちろん、アニメのほわっとあたたかい表現も好き。
この漫画は人には何か人生の中で自分の中で忘れてはいけない軸があると確かに感じさせてくる話です。その軸は千差万別。100人いれば100人が異なる答えを出す。
最後に、そんなじっくり読まなくてもいいんです。笑いたいな、癒されたいなと思ったときに読んだり、悩んで苦しいとき読んで、一度自分に対して冷静になってみたり。私にとっては少し柔らかい気分で自分自身を見つめ直したいときに読み返すことが多いです。
読んで頂きありがとうございました。
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