法の下に生きる人間〈第80日〉

月曜日から木曜日までの4日間の記事で触れたことをもとに、例えば、消費者金融のアコムのホームページを見ると、法令に基づいた説明が分かりやすく行われていることに気づくだろう。

契約書面の細かい文字を読むのがめんどくさいと思っても、法令の条文で定められている項目(貸付の利率など)の数字や、利息がどのように計算されていて、元本だけでなく、どれだけのお金を完済までに負担することになるのかを把握することは最低限必要である。

アコムのホームページのトップページから、「返す」→「金利(利息)の計算方法」に飛ぶと、分かりやすく説明されている。

それをもとに、例えば、クレジットカードのキャッシングリボや、何らかのローン返済の契約があれば、返済期間や利率などを確認して、自分でも計算してみるとよい。

同じような結果が出れば、それで合っていることになる。

もし自分の計算結果がおかしかったら、計算間違い(電卓の誤入力の可能性もある)かもしれないし、あるいは、理解が不十分できちんと計算できていないのかもしれない。

基本的なこととして、①借入れの当日は日数計算に含めない、②1円未満は切り捨て、③うるう年は366日で計算することは、ポイントとして押さえておく必要がある。

今年は2024年で、4の倍数の年なので、うるう年である。通常なら28日間しかない2月が29日まであるから、366日。

2月29日が返済期間の範囲に入っていることを見落としていると、計算結果が違ってくる。

こうしてみていくと、私たちが子どものときに、いかに学校などで勉強することが大切であるかが実感できるだろう。

国語や数学が苦手科目であっても、最低限の知識がなかったら、法律や契約書面の文章を読むにも一苦労だし、分からないままに契約書面にサインすると後悔することになる。

また、利息が計算できれば、借入れ先を比較検討することができる。

いくらそれぞれの借入れ先が、ホームページ上や対面での説明で、他社よりオトクですよとアピールしていても、それは自社の利益のために客を引き込もうと最低限の情報しか提供していない可能性もある。

フタを開ければ、利息のカラクリにまんまとだまされたという人もいる。

最終的な判断は自分自身なのだから、本当に借入れが必要なのかどうかということも含めて考えてみよう。

結果的に利息をよけいに払うなら貯金を切り崩すほうがよいとか、将来的にお金が必要なら今は借入れをしなくとも一時的な節約でなんとかなるとか、貸金業者に頼らない選択肢もあるのである。

「月々の負担がたったこれだけですよ」という謳い文句は、裏を返せば、「たったこれだけ、月々の節約をするだけで借りずに済むのですよ」ということに気づかない人は意外に多いのだ。


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